プラスチック資源循環促進法施行へ
2021(令和3)年6月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(以下、「プラスチック資源循環促進法」という)が公布され、22年度からの施行が予定されています。同法に基づく具体的施策には、公益財団法人日本容器包装リサイクル協会(容リ協会)が直接関わる事業も含まれています。
新たなスキームの特徴は、第一に、市町村が分別収集物の基準を満たすプラスチック使用製品廃棄物をプラスチック製容器包装と一括して、当協会に再商品化を委託できるとする点です。これは従来、容器包装に限定していた再商品化の対象をプラスチックの製品まで拡大するという点、そして、ガラスびん、PETボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装という容器包装の用途に限定し素材ごとにカテゴライズしていた対象を、プラスチックという原料に着目して新たなカテゴリーを導入したという点です。
第二は、プラスチック資源循環促進法に基づく再商品化は、その委託者と容器包装以外のプラスチック使用製品廃棄物の再商品化に係る費用負担者が市町村となり、プラスチック製容器包装廃棄物の再商品化が原則として特定事業者である点と異なります。また、市町村は国から再商品化計画の認定を受ければ、入札という手続きを経ることなく同計画に記載の再商品化事業者にその実施を委託することができ、分別収集物の選別・圧縮梱包(こんぽう)の省略を可能としています。
プラスチック資源循環促進法は22年度4月に施行予定であり、具体的な運用が開始するのは23年度を予定しています。容リ法始まって以来の大きな変化として捉え、適時的確に対応していくことを最重要課題として取り組んでまいります。
発火事故防止へ 捨て方の啓発強化
またリチウムイオン電池などの発火危険物の廃棄物への混入による発煙・発火トラブルが、国内のリサイクルにおける大きな阻害要因となってきており、プラスチック製容器包装のリサイクルに極めて深刻な影響を及ぼしています。容リ協会登録のプラスチック製容器包装の再商品化事業者に生じた発煙・発火トラブルは、17年度56件が、19年度は301件、20年度は285件、今年度は8月までで137件と高止まりしており、火災事故により事業撤退に追い込まれた、あるいは復旧に半年以上かかったケースもあり、再商品化事業者への影響は甚大です(図参照)。容リ協会は関係省庁および関係団体へ分別排出マーク等の表示の促進などの要請を行うとともに、市町村へ訪問しての普及・啓発活動を実施しています。さらに昨年作成し好評だったリチウムイオン電池などの捨て方に関する動画のショートバージョンを作成し、協会ホームページやSNSを活用し広報活動を強化しています。
最後に、毎年11月から大都市を中心に全国各地で実施している特定事業者向けの制度説明会・個別相談会は新型コロナウィルス感染拡大防止のため今年は開催しないこととさせていただきました。容リ協会ホームページにて容リ制度の解説サイトへのアクセスやオンラインによる事務手続きができますので、ぜひご覧ください。 (公益財団法人日本容器包装リサイクル協会・駒ヶ嶺充)
容リ協会のホームページはこちら ‣ https://www.jcpra.or.jp/
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