われわれは、ここおきなわ那覇において「経済再生～観光産業の変革と創造～」をテーマに掲げ、全国商工会議所観光振興大会2021 ㏌ おきなわ那覇を開催した。

新型コロナウイルス感染症の世界的流行（パンデミック）以前のわが国の観光需要は、年々拡大を続け、観光産業は経済成長の一翼を担ってきた。しかしながら、パンデミックは人々の生活を一変させ、多くの業種にダメージを与えた。

このおきなわ那覇においても、観光産業の順調な伸びに支えられていた経済が一気に収縮し、観光産業のみならず飲食・サービス、農水産業など多岐にわたる分野に影響が及んでいる。

われわれが今大会で学んだことは、アフターコロナの観光産業が目指すべきものは元の状態を取り戻すだけではなく、多様化する観光ニーズに応え、人々に「より有意義な体験とより大きな感動」を提供できる産業としてさらに発展することが、地域経済の活性化、ひいてはわが国経済の再生につながるということである。

地域経済のリーダーとして、今こそ商工会議所が全力を挙げて、観光産業の変革と創造に取り組むことを誓い、おきなわ那覇大会において以下のアピールを行う。

記

1．Review：未曽有の災禍で顕在化した観光の課題と施策の検証

長期化する新型コロナ感染症の世界的流行の影響により、観光産業は甚大な打撃を受け、かつてない苦境に直面している。わが国の成長戦略の柱、地方創生の切り札となる観光の復興と持続的発展に向けて、この未曽有の災禍の経験を、これからの観光の在り方を見直す絶好の機会と捉え、コロナ禍で顕在化した観光の課題と施策を検証し、官民連携した観光危機管理の強化の下、観光に影響を及ぼす想定外の危機に備えなければならない。

2．Restart：コロナ禍からの再出発

このコロナ禍の危機的状況を乗り越え、観光の持続的発展に向けて、新しい観光のカタチを模索・実践しながら観光産業の再出発を図る。with／afterコロナに求められる新たな観光のカタチは、従来の考え方を踏襲していては原状回復すらできかねない。これまで追い求めてきた観光客数や消費額の向上のみならず、時代の流れを捉え、多様化するニーズに応えられる新たな観光成長戦略、自然・歴史・文化など、地域の魅力ある観光資源を活かした観光の高付加価値化、並びに観光産業の生産性や国際競争力の向上に向けた『観光DX』についても徹底的に考え、従来の価値観・企業観の根本的な変革を進める。

3．Revitalize：観光の力による地域経済の再生

わが国経済にとって、観光は地域経済の活性化に直結し、雇用機会創出に寄与する極めて重要な産業である。観光復興により、活気に溢れた地域社会を構築し、疲弊した地域経済の再生を果たすため、①観光リスクに対応する仕組みづくり、②地域に応じた観光マネジメント、③ソフトパワーを活かした観光の推進、④ITや先端技術によるイノベーションの展開、⑤レスポンシブル・ツーリズムの推進など、従来からの観光課題に加え、withコロナ、afterコロナ時代に即した「新たな観光」に取り組んでいく。