私ども庄原商工会議所の地域は広島県の北東部に位置し、面積は1246㎢で近畿以西では最大規模、人口3万5000人の典型的な中山間地域の過疎都市です。人口減少・少子高齢化・働き手不足・農業の衰退など課題山積ですが、域内にはJRの芸備線と東西南北に向けた高速道路の結節点を有し、広島県立大学庄原キャンパスや国営備北丘陵公園、信用金庫・バス会社の本社など、恵まれた環境がそろっています。16年前に一市六町が合併し、新庄原市となりました。域内には私ども商工会議所のほかに二つの商工会があり、5年前から商工連携協議会を立ち上げ、共に歩みを進めています。
私は32歳の時に生まれ育った広島市内からここ庄原市に移り住み、家内の実家の家業であるこの会社に入社し、現在二代目の社長を務めております。弊社先代も20年前まで6期にわたり会頭を務め、「地域の繁栄が自社の繁栄の近道」を口癖にしていました。商売においても子会社のビルメンテナンス会社ともども、地域高密着の商売をさせていただいておりますから、地域貢献は社業と同じくらい大事なことと思い、さまざまな活動に携わっています。
趣味はゴルフ、麻雀で、特にゴルフは全国の有名ゴルフ場巡りに燃え、中でも北海道は現在37コースを回りました。私は酒を飲めませんが郷土料理に舌鼓を打ち、仲間とワイワイすることが一番の楽しみです。ここ5年は先々代がつくった自宅の庭いじりにハマり、汗と土でドロドロになることが自分でも不思議なくらい妙な快感になっています。これまで勝った・負けたに明け暮れていた私の豹変ぶりに家族も驚いています。
さて会頭を拝命して6年目になりますが、就任以来「頼りになる攻める商工会議所」のスローガンの下、地域課題解決に向け、精力的に取り組んできました。このほど、日本商工会議所からスマート農業やMaasなどへの先進的な取り組みが認められ事業活動表彰を受け、大きな励みになりました。
このほかにも高校生の地元就職に向け、先生方のご協力を得て生徒を一堂に集めて地元企業50社出展の就職ガイダンスを開催しています。また経済の地域内循環を目指し、地域ICカードシステムを昨年3月に始めました。今期は40億円の利用をもくろんでいます。
これら事業の根っこは、全て人口減少問題の解決に向けての諸施策です。「地産地消」はもちろんですが、地域で子どもがたくさん生まれる環境をつくり、地域でたくさんの人が生きる「地産地生」を目指しています。小さなまちであればあるほど商工会議所の役割は大きく、責任の大きさを感じながら「できるか、できないか」ではなく、「やるか、やらないか」の精神で臨んでいます。
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