草加商工会議所(埼玉県)はこのほど、事業系の食品ロス削減と生活困窮世帯の支援を行うコミュニティフリッジ事業を開始した。今年度の重点事業として同所が取り組んでいるSDGsの取り組みの一環。事業者の廃棄コストから運営費を負担する草加版の新たな食品循環事業「自走型食品支援モデル」として、何もしなければ廃棄されてしまう食料品を消費者のニーズとマッチさせ、特に事業系の食品ロス削減を促進する。
コミュニティフリッジは、さまざまな事情により生活に困難を抱える人に食料品などを無償提供する欧州で始まった取り組み。草加市では、年間4500トンのまだ食べられる食品を毎年1億8千万円の税金を投じて処分しているという試算もあり、食品ロスの削減と食料支援だけでなく税金の節約にもつなげる。
同所の会員企業で、生鮮食品スーパーを運営する全栄物産の輸送網を活用した回収便で市内を巡回し、メーカー、スーパー、飲食店などから余った食料品を回収。全栄物産ゼンエー草加店の敷地内に設置された大型冷蔵庫と冷凍庫に随時収納していく。登録者は24時間365日利用が可能で、時間や人目を気にせず都合の良い時に食料品を取りに行ける仕組み。提供者も登録制とし、食品の安全性を確保する。
同所は、市内の子ども食堂運営者や一人親世帯などへのコミュニティフリッジの活用をPRするとともに、会員事業者には食品の提供を要請。「草加商工会議所モデル」の食品ロス削減に伴う食料品の支援を呼び掛けている。
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