福岡商工会議所はこのほど、3年ぶりに開催した市を代表する祭りの一つ「博多どんたく港まつり」について、コロナ禍の運営などで工夫した点や開催決定から実施までの検討経緯などを取りまとめた冊子を作成した。今年のどんたくは、例年よりコンパクトな規模でコロナ対策を徹底し、2日間で80万人が来場。全国各地の祭り再開に向け、コロナ禍での状況に即した新たな形式で大規模イベントの在り方を示した。
「博多どんたく」は、800年以上前に始まった「博多松囃子」を起源とする伝統行事で、例年の参加団体は約650団体、出演者約3万5千人、見物客約200万人に上る日本最大規模の祭り。期間中は、どんたく広場でのパレードや演舞台での芸能披露、花自動車の運行など、華やかな数々のパレードを実施している。2020、21年度は、コロナ禍の影響により中止となったが、今回は感染リスクを減らすことを必須条件に開催した。
主な感染症対策は、「パレード開催時間の短縮」「演舞台の削減」「市の『安全安心に配慮したイベントマニュアル』を参考にした『博多どんたく運営マニュアル』の作成および各行事を主管する企業・団体への配布」「『モバイルどんたく』をホームページに搭載し、参加手続き、プログラムの作成業務、パレード当日の進捗(しんちょく)状況管理など一連の手続きのデジタル化」「沿道店舗への露店・酒類販売自粛などの協力要請」「衣装に合わせた色彩やデザインのマスクの着用」「ワクチン接種の推奨、体調の管理・記録および濃厚接触者などの参加見送り」など。冊子では、19年以前の開催時と比較しながら、感染対策の取り組みや沿道の模様などを写真と共に紹介している。
同所の谷川会頭は、「全国各地の祭り主催者の皆さまが、冊子を参考に各地域の実情に応じた工夫の下、祭りを復活・実施し、まちに元気と笑顔を取り戻されることを心より祈念する」と冊子の活用を呼び掛けている。
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