日本商工会議所の創立100周年を心からお祝い申しあげます。式典の際には、大変名誉ある創立100周年特別表彰をいただき、誠にありがとうございます。岐阜商工会議所は1890(明治23)年12月に創立、3782事業所(2022年3月末時点)の会員から成り、133年目を迎えています。
岐阜の地名は1575年、織田信長が「井の口」を「岐阜」と改めたことによります。中国の周王朝が「岐山」より天下統一を果たした故事と、孔子の生まれ故郷「曲阜」から「岐」と「阜」を組み合わせ、「岐阜」の地から天下を正しく治める強い意志が込められているといわれています。
市内を流れる長良川は、香り豊かな鮎を育むとともに美濃和紙、岐阜提灯(ちょうちん)や岐阜和傘などの伝統工芸品を生み出し、その清流と自然・歴史・伝統・文化・技が流域で今も脈々と息づいています。2015年には「清流長良川の鮎」として世界農業遺産に認定されました。
20年度に、当所では「ふるさと」の魅力を体感し再発見しようと、長良川ブランド「かわべの宵」「かわべの時間」を開催しました。「かわべの宵(ゆうべ)」では、200人を超える参加者が岐阜提灯をかざし、夕涼みしながら岸辺から鵜飼を鑑賞する新しいスタイルを提案しました。「かわべの時間」では、長良川で遊ぼうをテーマに、ロックバランス、水切りやストーンペイントなどを子どもから大人まで楽しみました。「全国商工会議所きらり輝き観光振興大賞」の優秀賞をいただき、長良川ブランドを広めることができたと喜んでおります。
私が会長をしています十六銀行は1887年に創業しました。当時の銀行の多くが旧武士を中心に士族資本であった中で、地元企業家たちが地元中小企業のために自らの資本で設立しました。弊行の会議室には、創業時から深い関わりをいただいた渋沢栄一氏の「順理則裕」の書を掲げております。「道理にしたがって行動することは、豊かさや繁栄につながる」の意です。昨年設立した十六フィナンシャルグループの使命は「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」にあり、今後とも「順理則裕」の精神を大切にしてまいります。
最後になりますが、観光とは光を観ると書きます。皆さまにもこの地に足をお運びいただき、鵜飼のかがり火の松割木が燃える「炎の色」「はじける音」、息づく伝統をぜひとも体感していただきたいと思います。
最新号を紙面で読める!