那覇商工会議所(沖縄県)と台北市進出口商業同業公会(IEAT)はこのほど、経済交流促進に関する覚書(MOU)を締結した。台北市内で実施した調印式には、「沖縄・台湾 経済交流訪問団」として、約2年7カ月ぶりに就航再開したチャイナエアラインの那覇―台北路線の第1便で訪台。同所を含む県内主要経済団体の代表約30人が参加し、日台間の交流を深めた。
覚書は、コロナ禍の影響で足踏みしていた沖縄と台湾の経済交流を促進することが目的。具体的には、「相互に貿易・投資・市場などに関する情報交換を実施し、ビジネス環境のさらなる向上に向け協力する」「国際見本市、セミナー、商談会などの事業に関する情報を相互に交換し、双方の会員への広報や参加の支援を行う」「経済訪問団体などの企画・実施に当たり、その訪問団あるいは企業に対し必要な協力を行う」などの4項目を盛り込んだ。
10月25日に行われた調印式でIEATの黄教漳理事長は、「これほど多くのお客さまを迎えての調印式は、IEATの75年の歴史で初めて。お互いがウィンウィンの関係になるよう、経済交流に限らず観光や教育、文化などでも協力を発展させていこう」とあいさつ。同所の石嶺伝一郎会頭は、「沖縄は日本で一番台湾に近く、古くから経済や文化交流をしてきた。双方の会員企業が多様な産業分野で協力と発展を促進するためのさまざまなチャンネルが開かれることを期待する。今回の締結で協力関係をさらに高めていきたい」との考えを示した。
同所ら代表団は両地域の交流復活に向け、日台間のビジネス交流促進に努める「台日商務交流協進會」や台湾外交部の所管組織である「台湾日本関係協會」、台湾(中華民国)と沖縄(琉球)の文化、経済交流促進団体である「中琉文化経済協會」を精力的に訪問したほか、市内企業なども視察。沖縄と台湾のそれぞれの現状と今後について意見交換を行った。
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