公益財団法人日本生産性本部余暇創研はこのほど、2021年の余暇活動状況について、個人の意識や参加実態に関するアンケート調査や各業界の市場分析から検証して取りまとめた「レジャー白書2022」を発行した。コロナ禍が続いた21年は、動画鑑賞や読書をはじめとする在宅レジャーの参加人口が上位となる一方、観光やドライブなどの遠方への移動を伴う余暇が減少。余暇関連市場規模は前年比1・0%増の55兆7600億円となった。
21年の余暇活動の参加人口は、「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」(3700万人)が初の首位獲得。「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど)」など在宅レジャーが上位を占め、19年まで首位だった「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は6位にランクダウンした。
1人当たり平均参加種目数は、前年より0・2種目減少して9・7種目で、スポーツ部門と趣味・創作部門では微減。年代別に見ると、変化はわずかだが、特に60代男性、70代女性などで減少が目立った。今回、80代の余暇活動の参加状況を特別に調査したが、65歳以上と参加率の大きな差はなく、約半数が「ウオーキング」「園芸・庭いじり」を実施していた。
21年の余暇関連市場は、多くの分野で復調傾向。ただし、トータルでは1・0%増も、19年比では77・1%の水準となっている。スポーツ部門(前年比10・7%増)は、前年コロナ禍で落ち込んだスポーツ施設・スクール、スポーツ観戦、スポーツ用品が復調。特にスポーツ観戦とフィットネスクラブの伸びが目立つ。前年も伸びたゴルフ練習場はさらに拡大。逆に、健康的な移動手段として注目を浴びたスポーツ自転車が反動減となった。
趣味・創作部門(前年比2・7%増)はコロナ禍前から堅調だったコンテンツ配信(有料動画配信サービス、音楽配信、電子出版)が引き続き伸びた。前年にコロナ禍でダメージを受けた音楽会(コンサート)、演劇、映画は回復基調に転じ、CD、ビデオソフト、雑誌、テレビは落ちた。娯楽部門(前年比0・1%減)は、ネット販売が堅調な公営競技が大きく伸長。同じくネット販売でスポーツ振興くじが伸びた。ゲームセンターは復調したが、オンライン・ソーシャルゲームは横ばい、テレビゲーム・ゲームソフトは微減。外食も微減だが、喫茶店・酒場・バーなどとカラオケボックスは大きな落ち込みが続いた。
観光・行楽部門(前年比0・4%増)は、遊園地・レジャーランドがやや復調し、ホテルも増加に転じたが、コロナ前の規模には遠い状況で旅行業のダメージが大きい。水際対策により海外旅行とインバウンド観光は消失。鉄道、バス、航空も前年ほどではないが落ち込みが続いた。
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