経済産業省はこのほど、サプライチェーン全体の付加価値向上、大企業と中小企業の共存共栄を目指す「パートナーシップ構築宣言」を推進する一環として、「パートナーシップ構築シンポジウム」をハイブリッド方式で開催した。開会に当たり、ビデオメッセージを寄せた西村康稔経済産業大臣は、パートナーシップ構築宣言を行った企業の数が1万6千社を超えたことに触れ、さらなる宣言の拡大について「重要な課題」と述べ、経済界への働きかけを継続する考えを表明。また、宣言の実効性向上に向けたサプライチェーン全体での新たな連携の取り組みを後押しする表彰制度創設の効果に期待を示した。
その後、オムロンの立石会長による基調講演のほか、新たに創設した「パートナーシップ構築大賞」の受賞企業の表彰式を開催。経済産業大臣賞に輝いた花王株式会社は、持続可能なサプライチェーンの構築に向けて、取引先とESG調達を推進するとともに、主要な取引先に、人権や環境などへの対応について、独自の視点も含めて評価・フィードバックを行いながら協働による改善活動を進め、優秀サプライヤーの表彰も実施したことなどが評価されたことが紹介された。
中小企業庁長官賞の株式会社日立システムズでは、取引先との連携・共創によりIT人財強化・事業拡大を推進。人財のスキルやプロジェクト情報などを相互に共有してマッチングを実施するとともに、取引先への人財育成機会の提供なども実施していることなどが評価された。
閉会式であいさつした日本商工会議所の小林健会頭は、表彰企業などの取り組みに触れ、「取引適正化はもとより、企業単体の取り組みでは解決できない社会的課題に対して、共存共栄の取り組みで解決することを目指すものであり、企業が進むべき方向を示すもの」と高く評価。また、企業活動を支援する行政や団体の連携の重要性も強調した。
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