免疫とは、一度かかった病気に二度かからないか、かかっても軽く済む働きのことで、「自然免疫」と「獲得免疫」があります。
自然免疫は、外部から侵入した細菌やウイルス、体内に発生したがん細胞などを排除する生まれ持った機能です。侵入者を食べてしまう好中性白血球やマクロファージ、病原体を殺すNK細胞などの免疫細胞が役目を担っています。
獲得免疫は、一度体に侵入した細菌やウイルス、発生したがん細胞の性質を記憶し、次に同じ敵と出合ったときに攻撃する機能です。キラーT細胞、ヘルパーT細胞、B細胞などの免疫細胞が担当しています。
自然免疫は反応が早いものの効力が限定的なのに対し、獲得免疫は二度目の感染や接触以降なので、反応こそ遅いものの効力は大きく、この二つの免疫システムの連係プレーによって、体はさまざまな病気から守られています。
免疫細胞の多くは腸、特に小腸下部にある「パイエル板」という組織に集まっています。口から肛門まで続く1本の消化管は、皮膚などと同じように、体の外から取り込まれた物質と直接接触します。そのため、口から食べ物と一緒に運び込まれる細菌やウイルスなどが、体内に入り込むのをブロックする門番として腸内にいるのです。
免疫細胞たちに精いっぱい働いてもらい、病気にかかりにくい体をつくるには、腸内環境を左右する腸内細菌バランスを整えることが欠かせません。そこでまずは、日々の食生活を見直してみましょう。例えば1日3度の食事に、善玉菌を含む納豆やヨーグルトなどの発酵食品や、善玉菌の餌になる食物繊維やオリゴ糖などを含む食品を積極的に取り入れましょう。同時に悪玉菌を増やす動物性たんぱく質や脂質の過剰摂取を控えます。
生活習慣では、ストレスや過労を避ける、良い睡眠をとる、喫煙や過度の飲酒をやめる、適度な運動をする、便秘を解消する、冷えを予防するなどを心掛けることが効果的です。
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