2023年の『時流予測』の時期となりました。今回は一番気掛かりなロシアとウクライナの戦争について、私の見解を述べたいと思います。
残念ですが、この戦争は来年いっぱい続くでしょう。というのも、プーチン大統領の目的は、クリミアは無論のこと、東に位置する他の四つの共和国もわがものにし、ウクライナのNATO入りを断念させることだからです。しかし、ご存じのようにウクライナ側も妥協しませんし、今の時代に武力による現状変更がすんなり実現するとは思えません。
かつてロシアはSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除されたことがあり、その経験からプーチン大統領は「ヨーロッパ・米国」の経済圏と対抗する「中国・インド・ロシア」を中心とした経済・文化圏『新ユーラシア主義』を実現していこうとします。
簡単にはいかないでしょうが、こういう背景から、私がこれまで描いてきた2026年頃からの、西洋から東洋(米国から中国)への世界覇権の移行という予測は変わりました。ある情報では、ロシアを戦争に追い込んだのは世界覇権を失いたくない米国の戦略で、ウクライナに代理戦争をさせながら、背後の米国の力を増大させていこうとしている、という話もあります。事実は分かりませんが、全ての背景には私たちの知らない大きな力が動いているのです。
容易に平和は実現せず、世界情勢の混沌(こんとん)は長引くと見るしかありません。私たちがやるべきことは、正しいと思われる情報を分析し、自分たちの仕事の先行きを予測することです。
原油や小麦を筆頭に、物価は上がり続け、スタグフレーションは続くでしょう。岸田総理の肝いりで大企業では、来年5%昇給するかもしれません。しかし中小企業は、2%上げるのが精いっぱいでしょう。大半の日本人は、物価が3%上がって給料は2%上がるという、厳しい状態に陥るわけです。
「物価が3%上がる」ということの意味ですが、食品が5%~6%上がって、電気やガス代が15%上がっても、全体で見ると物価の上昇は3%なのです。
言い換えれば、所得の高い人は苦しくありません。金持ちにとって一番安いのは食費ですから、それが数%上がっても痛くはないのです。一方、所得が低い人、生活が苦しい人の支出は、食費と光熱費が大きいですから大変です。
この状態が2年か3年は続くとしたら、皆さまのお客さまはどのような精神状態でしょうか。それに合った金額の商品の提案ができているでしょうか?
世界の状況から目を転じ、自社の商品一つひとつを見直してみてください。
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