大阪府箕面市がゆずの産地というのはご存じでしょうか?
私ども箕面商工会議所の地域は、市域のうち3分の2が北摂山系の山間部であり、「箕面の滝」を中心とする「明治の森箕面国定公園」を擁しているほか、止々呂美地区は埼玉県毛呂市、京都府水尾と並ぶ日本の三大実生ゆずの産地です。実生ゆずは、種から栽培されたゆずで、一般的なつぎ木栽培に比べて時間と手間はかかりますが、その分大粒で香りが良いと好評です。
このような箕面の実生ゆずをPRするキャラクター「滝ノ道ゆずる」は当所に所属しており、これまで毎年ゆるキャラグランプリで上位を占めている人気者です。箕面の活性化のため日々奮闘してくれています。
私は、1930年に父が大阪市福島区で創業し、77年に箕面の船場繊維団地内に本社ビルを建設した会社(紳士・婦人・子ども肌着の企画製造卸)を96年に引き継ぎました。そして現在は、代表取締役会長として後進の育成にいそしんでいます。
経営に長く携わってきた私が一線を退いて思ったことは、経営とは「美的センス、文化的センス、先見性」を持ち、常に社員にロマンを語り自ら仕事に携わることだということです。その言葉を持ち続けていたことから、佐賀県に赴任した際は自然と窯元巡りをするようになり、黒牟田焼丸田正美窯の先生に出会いました。先生の繊細で長くきれいな手からつくり上げられる作品からは大きなパワーをいただき、以来、焼き物を集め、眺めるのが大好きになりました。
ほかにもゴルフと釣りが趣味ですが、かつては毎年恒例の海外社員旅行でハワイを訪れた際、悪戦苦闘をして大きなカジキマグロを社員と一緒に釣り上げたことは、忘れられない思い出です。今でもこの時のことを思い出すと力が湧いてきます。
さて、本社がございます箕面船場地域は、2023年度末に鉄道が延伸、新駅が開業し「文化芸能・国際交流拠点」「健康寿命の延伸・ヘルスケア拠点」として、新たなまちづくりを進めています。地域の事業者、市、大学などとの産学官民の連携、共創を目指す上で、当所の果たすべき役割は大きいと考えています。その際、私がこれまで大切にしてきた「多逢聖因(たほうしょういん)」=「人は出会いによって成長する」を実践することで、当所のスローガンである「必要とされる商工会議所」が実現できると考えています。高い志を持ち、その実現に向かって一生懸命に「知恵と努力」をもって「実践実行」し、一歩一歩前へ進んでいきたいと思います。
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