政府は5月17日に第3回、22日に第4回こども未来戦略会議(議長・岸田文雄首相)を首相官邸で開催した。会議に出席した日本商工会議所の小林健会頭は第4回会議で、少子化対策の財源について「支援策と負担の関係が明らかでないままに議論を進めることに違和感がある」と指摘。岸田首相は財源について「消費税を含めた 新たな税負担は考えていない」と強調した上で、「企業を含め社会・経済の参加者全体が連帯し、公平な立場で、子育て世帯を広く支援していく新たな枠組みについて、具体的に検討し、結論を出していく」と述べた。
日商の小林会頭は、「少子化への対応は子どもを産み育てたいと願う人々の『希望をかなえられる社会』をいかに実現するかという『国づくりへの挑戦』である」と述べ、「目指すべきは、成長と分配による経済の好循環を実現し、人々の可処分所得を増やすこと」との考えを表明。各地への良質な雇用機会の創出をはじめ、全国の中小企業への配慮を求めた。
賃上げについては、「厳しい経営環境下にありながら、賃上げ努力に取り組んでいる」と中小企業の実態に触れ、「これを継続させることが重要」と主張。技術・サービスの開発、生産性向上、新たな事業創出・投資などによる収益強化に向け、強力な後押しを要請した。また、少子化対策について、「福祉的政策とともに、生活基盤の確保につながる経済政策と『出産・育児と就労の両立』を可能とする働き方改革を同時に進めるポリシーミックスが極めて重要」との考えを示した。
岸田首相は、財源について、「消費税を含めた新たな税負担は考えていない」と強調した上で、「徹底した歳出改革による財源確保」「国民の実質的な負担の最大限抑制」「経済活性化、経済成長への取り組み先行」「2030年までの少子化対策のラストチャンスを逃さないこと」の4点の財源についての方向性を提示。これらに基づいて、「企業を含め社会・経済の参加者全体が連帯し、公平な立場で、子育て世帯を広く支援していく新たな枠組みについて、具体的に検討し、結論を出していく必要がある」と述べるとともに、次回会合で「こども未来戦略会議」の方針の素案を示す考えを表明した。
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記事提供: 日本商工会議所
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