「令和の大改修」を終え、2022年11月に生まれ変わった優雅な姿を披露した岡山城。その歴代城主である宇喜多侯、小早川侯、池田侯をイメージした和菓子が「岡山城城普請三氏(おかやまじょうしろぶしんさんし)」だ。つくり手が岡山城、城下の成立に尽力した地元の殿様に思いをはせ、岡山城の元学芸員の協力を仰いで誕生したもので、どれも、武骨な城主たちの顔に似合わない、優しい甘さの味わいにニンマリしてしまう。
まずは備前国を代表する戦国大名で、岡山城の初代城主を務めた宇喜多秀家が知られる「宇喜多侯」。中のこし餡(あん)に梅の甘露煮を加え、皮も餡もしっとりとした食感。生地には和三盆の風味がほのかに感じられる。
「池田侯」は厳選した北海道産小豆を炊いた粒餡で、皮も餡もしっかりしている。ちなみに5代城主・池田光政は岡山の基礎を築いた名君、6代城主・池田綱政は日本三名園の一つ「岡山後楽園」を造営した人物だ。
そして豊臣秀吉のおい、2代城主・小早川秀秋ゆかりの「小早川侯」。生地、餡ともに生クリーム、バターを練り込んでいて、餡の中に県内産の柚子(ゆず)を入れ、すっきりした後味に仕上げた。製造元の「浦志満本舗」は岡山の老舗菓子店。岡山城見学に出かけたらぜひ味わってみよう。
Data
社名 : 有限会社浦志満本舗(うらしまほんぽ)
所在地 : 岡山県岡山市南区新保370-2
電話 : 086-232-5070
【岡山商工会議所】
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