日本商工会議所は1月17日、日本経済団体連合会、経済同友会と連名で取りまとめた要請書「構造的な賃上げによる経済好循環の実現に向けて~価格転嫁など取引適正化の推進~」と、日商として取りまとめた「経済3団体共同要請の背景と期待」をそれぞれ公表した。3団体連名の要請書では、それぞれの会員企業、特にサプライチェーン上位に位置する大企業、中堅企業に対して、「パートナーシップ構築宣言」の趣旨徹底と実行を要請。未宣言企業に対する宣言への参画も呼び掛けている。
3団体連名の要請書は、「経営者自らが先頭に立った、取引適正化への取り組み強化」「労務費を含む適切な価格転嫁の推進」「サプライチェーン全体の成長に向けた取り組み」の3項目で構成。「経営者自らが先頭に立った、取引適正化への取り組み強化」では、経営者自らが先頭に立ったパートナーシップ構築宣言の実行とフォローのための社内体制の明確化を提示した。また、大企業など発注者が中小企業など受注者の要請に真摯(しんし)に向き合うとともに、受注者である中小企業などが臆することなく価格交渉を申し入れ、価格転嫁を新たな商習慣としていくことなどを呼び掛けている。
「労務費を含む適切な価格転嫁の推進」では、昨年11月に公表された「労務費の適切な価格交渉に関する指針」に沿った行為の徹底などを要請。「サプライチェーン全体の成長に向けた取り組み」では、政府にメディアなどを活用した「良いものには値が付く」ことへの理解促進を求めているほか、業界内の優良な取引慣行について体系的な改善サイクルを確立することなどを呼び掛けている。 「経済3団体共同要請の背景と期待」では、経済界として、賃上げと労務費を含む価格転嫁を進めていくため、さらなる取引適正化の取り組み推進が不可欠であるとの認識から、日商から両団体に協力を呼び掛けたと連名要請の経緯を説明。各地商工会議所の役員・議員企業に宣言の趣旨徹底などを求めている。
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