2023年11月26日、ゾンビ先生は「せんだいメディアテーク」にいた。仙台市文化芸術推進基本計画策定に向けたシンポジウム「文化コンテンツが創り出すまちの賑わい」で、基調講演とパネルディスカッションのモデレーターを務めるためだ。
仙台市と仙台市教育委員会が主催のイベントである。事前のイメージでは小さなホールで実施されるお堅いものだったが、現場に着いて驚いた。市民が数多く利用する施設の1階、オープンスペースでの開催だったのだ。
オープニングアクトとして、パフォーマンス集団「白A」による映像とテクノサウンド、パフォーマンスを融合させたステージが始まる。忍者装束に身を包んだアクターがアップテンポの音楽と美しい映像に合わせて所狭しとダンスし、会場も巻き込んだ圧巻のパフォーマンス。
さらに、『週刊少年ジャンプ』の副編集長である本田佑行氏の基調講演を聞くことができた。仙台は『ハイキュー!!』というバレーボール漫画の舞台になっており、コラボ企画を行っている。本田氏はこの『ハイキュー!!』の担当編集者で、その目線からコンテンツと地域のコラボについてお話しいただいた。現実に存在する場所を作中で舞台として活用することには、作品のリアリティーを高め、読者を共感させやすくする効果があるという。
「白A」のディレクターである菱沼勇二氏も『ハイキュー!!』担当の本田氏も、ともに仙台出身。パネルディスカッションでのお話の中で、二人が口をそろえたのは、何かを伝える際の「エンタメ性」「面白さ」「ワクワク感」の大切さだった。そして、それをプロデュースする人材に必要なのは、絶え間ない情報のインプットと表現のアウトプット、トライアル&エラーなのだという。コンテンツを創出する人が育まれる地域は、こういったことを許容し、奨励する、居心地の良い場所なのだろう。
シンポジウムのより詳しい内容を知りたい方はこちら▶https://www.city.sendai.jp/bunkashinko/bunkakeikaku.html
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