丸尾興商株式会社は管工機材、住宅設備機器、機械工具、建材などを扱う総合卸売商社。1951年創業。取り扱い商品の多さと、デリバリーの速さ、ワンストップサービスに力を入れている。当社は父、丸尾尊政が創業した。父がこの分野を商売に選んだのは、堅実さゆえ。はやりすたりのない、常に需要が存在するからである。
父の下で学んだ時間は長くないが、決して自慢せず、厳しくも思いやりを持って人に対した父の姿勢は、今もって私の指標である。
母、文子の実家、永田家には世界的に著名な人物がいる。オペラのプリマドンナ、三浦環(たまき)。「マダムバタフライ」を2000回以上主演した。その作者、オペラ界の巨匠プッチーニをして「理想の蝶々さん」と言わしめた、世界で最初に成功した日本人の一人。
実は私の母は、環の母、登波の弟の孫で、環自身に「私に似ている」と望まれて、養女に行くはずだった。小学校に上がる前、東京でしばらく一緒に暮らした。
環は今でいう「天然」な人で、誤解されやすく、巷説のような「恋多き女」ではない。袋井市では、姉、丸尾惠子の原作で、環とその夫政太郎の伝記が漫画化されている。
困難を困難と思わず、軽々と超えていく環は、理想である。
さて、東海道ど真ん中「袋井」。名産はメロン、東海道、家康の史跡―可睡斎(かすいさい)は家康の命名である―など見どころは多々あるが、袋井商工会議所一推しは「ふくろい遠州の花火」。
全国花火名人選抜競技大会も開催され、打ち上げ数、参加花火師とも、全国トップクラス。しかし!最大のウリは何といってもその臨場感。打ち上げ場所と観客席が近いため、その迫力たるや!
音は地面から直接響き渡り、光は波となって海となって、我々を包み込む……。
他の追随を許さぬ奇跡を是非味わっていただきたい。
今年の開催は7月27日(土)袋井市原野谷川親水公園にて。
そして、私の趣味はキモノである。
海外からのお客様を迎えるときも、海外を訪問するときも、必ず身に着けるようにしている。
日本のものづくりの美しさ、素晴らしさ、品質の高さを、これほど端的に表現できるものはほかにはないだろう。
ちなみに袋井の古刹(こさつ)、可睡斎で撮った一枚は、雑誌「美しいキモノ」でグランプリを獲得した。
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