日本商工会議所は4月18日、提言「デジタル化でつながる中小企業の未来~地域やサプライチェーン等で連携していく中小企業のデジタル化推進を目指して~」を取りまとめ、公表した。日商の岩本敏男デジタル化推進専門委員長は4月24日、経済産業省の野原諭商務情報政策局長に提言を手交し、提言内容の実現を強く求めた。
提言は、中小企業のデジタル化が進展しない要因を分析し、デジタル化推進に向けて考えられる方策や手段、道筋を示し、そのために必要な具体的アクションを取りまとめている。特に、個社ごとに行うデジタル化の取り組みを地域、業界、サプライチェーンといった面的な取り組みへと広げていき、さらに面同士をつなげていくことを目指すべきとしている。
デジタル化未着手段階にある中小企業においては、「デジタル化は難しい、高い、必要ない」と考える中小企業自身の意識に課題があると指摘。意識改革に向け、デジタル化の必要性の周知やデジタルツールの利便性を体験できる機会の提供、導入コストの低廉化の周知やデジタル化の費用対効果を簡単に把握できるツールの開発などが必要としている。
ある程度デジタル化に着手した中小企業においても、取引先が対応していなければデジタル化の効果は薄く、またデジタル化を推進できる人材がいないといった自社だけでは解決できない構造的な課題がある点を指摘。共通データ連携基盤の構築、高度デジタル人材を企業間でシェアできる仕組みの構築などに取り組んでいくことを提案している。
野原局長は、「引き続き商工会議所と連携し、デジタル化を進めやすい環境整備に一層取り組んでまいりたい。デジタル化に成功した身近な事例の展開などで、経営者の意識改革を促していきたい」と述べた。
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