福岡商工会議所は5月23日、中小企業の取引適正化や価格交渉に関する課題解決を図るため、同所内に「取引適正化推進相談窓口」を新設した。福岡県よろず支援拠点に設置されている「売上拡大・賃上げ相談 ワンストップサービス福岡」と「価格転嫁サポート窓口」とも連携し、中小企業の支援を行う。窓口は事前予約制で、毎月第2・4水曜日に同所会員事業者、非会員問わず、無料で相談することができる。また、窓口相談日の午前中には、オンラインでの取引適正化についての説明会も開催。値上げに対する消費者の動向や価格交渉・価格転嫁状況の速報など課題解決に役立つデータや適正価格の設定方法、各業界の事例、交渉の基礎知識などの情報について説明を受けることができる。
今年4月に時間外労働の上限規制が適用されたトラック運送業などの運輸業や建設業など中小企業の多くの業種で、人件費や原材料・エネルギー価格の高騰によるコスト分を取引価格に適切に反映できていない。同所の調査によると、2023年度第3四半期の管内中小企業の79・9%がコスト増加分の価格転嫁を一部または全くできておらず、前年同時期と比較し、5・2㌽増加している。こうした現状を踏まえ、中小企業が抱える取引価格適正化の問題全般について、中小企業診断士などの専門家を配置し相談に応じる。
同所担当者は「『成長と分配の好循環』の実現に向け、適正価格での取引を推進し、中小企業が適正な利益を確保し、持続的に賃上げができるよう支援していきたい」と語った。
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