政府はこのほど、中小企業や小規模事業者の事業継続力の強化などを図る「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案」(中小企業強靱化法案)を閣議決定した。現在開会中である通常国会に提出される予定となっている。
近年、頻発する自然災害や経営者の高齢化によって、多くの中小企業は、事業活動の継続が危ぶまれている。こうした状況を踏まえ、政府は、中小企業の事業活動の継続に資するため、中小企業の災害対応力を高めるとともに、円滑な事業承継を促進するため、中小企業強靱化法案により必要な措置を講じるとしている。
同法案では、商工会議所・商工会による小規模事業者の事業継続力強化の支援として、商工会議所・商工会が市町村と共同して行う、小規模事業者の事業継続力強化に係る支援事業(普及啓発、指導助言、復旧支援など)に関する計画を都道府県が認定する制度を創設する。そして、これらに要する経費について地方交付税措置を講ずることとしており、地方における小規模事業者支援を推進していく。
また、中小企業が行う事前対策の内容や中小企業を取り巻く関係者(サプライチェーンの親事業者、金融機関、保険会社、地方自治体、商工団体などを想定)に期待される協力を規定した基本方針を策定する。さらに、中小企業者が単独で行う「事業継続力強化計画」や複数の中小企業が連携して行う「連携事業継続力強化計画」を経済産業大臣が認定する制度を創設。認定事業者に対し、信用保証枠の追加、低利融資、防災・減災設備への税制優遇、補助金の優先採択などの支援措置を講じる。
中小企業における事業承継の円滑化に向けては、個人事業者の土地、建物、機械・器具備品などの承継に係る贈与税・相続税を100%納税猶予する「個人版事業承継税制」の創設が2019年度税制改正大綱に盛り込まれたことを踏まえ、新税制の効果が十分に発揮されるよう、遺留分に関する民法特例の対象を個人事業者に拡大する。
詳細は、http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2019/190215kaisei.htmを参照。
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