盛岡商工会議所(岩手県)に事務局を置く岩手県国際リニアコライダー(ILC)推進協議会が公開した直線加速器「ILC(International Linear Collider)」のPR動画が注目を集めている。同協議会は、地下100㍍、長さ20㌔㍍のトンネル内に建設されるILCについて、岩手・宮城両県にまたがる北上山地への誘致を目指している。ILCは素粒子研究に使われ、電子と陽電子を光速に近い極限の速度まで加速し、正面衝突させることで宇宙の始まりともいわれる「ビッグバン」を再現できる実験装置。建設が実現すれば、アジア初の大型国際科学技術拠点として宇宙や物質の誕生の解明にとどまらず、産業界への大きな波及効果が期待される。
PR動画は、普段なじみのない素粒子物理学やILCを若い世代に身近に感じてもらうとラップやダンスを取り入れ、ILCの特徴である「衝突」を、食パンをくわえた高校生や相撲取りがぶつかり合うシーンで印象的に表現している。動画は2月現在、YouTubeで4万7千回以上、TikTokで200万回以上再生された。
同協議会は誘致実現により持続的な「成長型経済」の実現や「稼ぐ力の創出」などの効果を上げ、東日本大震災からの創造的復興などを実現したいと考えている。同会長を務める同所の谷村邦久会頭は「協議会は『日本の未来を考え、挑戦する意欲を』という言葉を掲げ活動してきた。ILCが広く、若い世代にも伝わることが大事だ」と話した。