9月29日スタートのNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、小泉八雲の妻、小泉セツをモデルにした物語。その舞台である島根県松江市を訪れた。まずは、2017年6月13日から気になっていた小泉八雲記念館へ。その日、「小泉八雲がゾンビの話を書いていた」と聞いたからだ。私が『ゾンビ学』という本を出版した直後、駐大阪・神戸米国総領事(当時)のアレン・グリーンバーグ氏から「ゾンビの話を聞かせてほしい」と公邸での夕食会にご招待いただいた。その席で奥さまから伺った話だ。
記念館では、小泉八雲の人生を学べた。37歳から38歳の時、西インド諸島のマルティニーク島に行き、そこでゾンビ信仰に関わる短編を書いたという。日本文化のことを知ったのが1884年の「ニューオーリンズ万国産業綿花百年記念博覧会」、つまり万博だったというのも面白かった。おそらく、書籍で調べれば分かったことなのだと思うが、最適な場所やタイミングで得た情報は、印象深くて血肉になる気がする。
Xに「【急募】島根県内で食べるべきもの見るべきもの」と投稿すると、フォロワーさん(中には当地のVTuberさんも!)から、さまざまな情報が寄せられた。やはり出雲そばを食べねばと、島根大学の福井栄二郎先生に連れて行ってもらったのが「古曽志そば」。お店の雰囲気も味も素晴らしい。多分一人では来られなかった。
Xではほかにも、出雲大社や宍道湖、松江城、足立美術館、石見(いわみ)神楽、たたら製鉄などをご紹介いただいた。スマホで謎解きができる「~松江市を巡る謎解き旅~ 松江綴(つづ)り 八雲とセツ そして君の物語」もある。さらに、出雲市の旧東小学校で10月12日に開催されるゾンビイベントのゾンビ役募集情報まで……。何かの「コンテンツ」を軸に据えて生きる人は、それをコアに人、物、コトのネットワークを楽しめる。そうした人々に引っかかる「フック」をどう仕掛けるかが工夫のしどころだ。

