中小企業庁は4月21日、2025年12月から26年3月まで5回にわたり開催した「地域の持続的成長に向けた創業政策のあり方検討会」の議論を取りまとめた報告書を公表した。報告書では、人口減少と労働供給制約が進む中、地域経済において多面的な役割を果たす創業の重要性を指摘。わが国の低い開業率などの現状を分析し、創業後の企業を成長力・成長角度に応じた5類型に分類して類型ごとの目指すべき姿や課題を整理するとともに、今後の創業政策の在り方と具体的施策について提示している。本稿では、報告書の概要を紹介する。
■現状と課題
・日本の開業率は13年からほぼ横ばい。欧米諸国と比較して低い水準であり、起業に関心を持つ者の割合も低水準で推移。また、日本の創業者数は20年以降減少傾向にある。
・創業期(創業から5年程度まで)にはさまざまな経営課題に直面するため、創業数増加だけでなく、創業期における支援にも取り組む必要がある。
■創業政策検討の視点
・産業の新陳代謝の促進と創業後の事業の成長の実現が重要。
・創業の形態は多様であり、創業支援の質を創業企業の特性に対応させる必要がある。
・地域で創業を持続的に生み出すには、地域全体で創業を支えるエコシステムの構築が重要。
■創業政策の方向性
・創業後の成長類型を「地域コミュニティ型」「地域資源型」「地域課題解決型」「事業拡大型」「スタートアップ型」の五つに整理。創業前・創業時の支援だけでなく、創業期における事業成長の実現に向けた支援に取り組む。
・地域において創業の良質な「土壌」づくりを進め、創業が持続的に生まれ、成長するエコシステムの構築とその横展開を図る。
・創業後の成長、創業数の増加(創業者数10万者/年の水準を目指す)、エコシステムの構築(人口1万人当たり創業者数7・8人/年を実現する地域の数を今後5年間で倍増)の三つの指標に基づき、創業政策の評価を行う。
■具体的施策
①創業機運の醸成
・創業の良質な「土壌」づくりに重要なポイントを整理した指標の作成・提示、モデル事例の創出と各地域への横展開、官民での起業家教育の機運醸成など
②経営リテラシー向上、人手不足・資金確保
・創業セミナーの機能強化、デジタル化・AI導入補助金などの活用促進(省力化促進)、「地域の人事部」「レビキャリ」などの活用促進(人材マッチング支援)、創業時に必要な設備などの費用に対する支援など
③創業期のさらなる成長支援
・地域の支援機関などによる創業後の支援体制の構築、支援機関による伴走支援とひも付いた融資や民間金融機関との協調融資を推進する仕組みの検討など
④創業支援施策の周知徹底
・創業ガイドライン(仮称)の作成・提示、情報提供ポータルの創設など
詳細は、こちらを参照。
