日本商工会議所の小林健会頭は5月13日、定例記者会見に臨んだ。小林会頭は、ナフサの供給不安について、今回の中東情勢による影響は、「第3次オイルショックと言える」と危機感を示した。
政府の対応については、「過去の経験を生かし、石油備蓄や代替調達先確保などよく対応している」と評価。供給不安の原因に関しては、「日本の流通網が非常に複雑で重層化していることに起因する目詰まりである」と指摘した。
政府が国内需要に対して当面十分な量のナフサを確保していると表明したことを踏まえ、「各社が余裕を持った量を確保せず通常どおり適正な量を流通させれば、今まで通り供給されるはずである。国内需要に対しては当面十分な量が確保されていることを官民が周知し、不安を解きほぐしていく必要がある」と強調。「商工会議所としては会員企業に対して余裕をもった量を確保せず適正な量を流通させていこうとお願いしていく」と言及した。
労働時間制度の見直しについては、「全面的な緩和により企業が自由に適用することを望むものではない。また、ゆとりをもって働くという考え方自体も否定しない」と前置きをした上で、「商売の世界では『1+1=2』とはならず、突発的な対応を求められる局面も存在する。そうした場合において、一定の柔軟性を持たせたいというのが商工会議所の考え。これは、決して労働者を搾取する目的ではない」と理解を求めた。
加えて、「弾力的な制度により事業を活性化し、顧客への対応力を高め、企業の『稼ぐ力』を増やすことが、最終的には労働者の待遇改善につながるものと考える」と主張した。
5月14~15日に開催された米中首脳会談については、「米中両国の対話は歓迎すべきこと」と評価。中東情勢への影響に関しては、中国が経済的利益の観点から「ホルムズ海峡の開放を求める方向になる見込みであり、そうなることが世界全体の経済的利益にも資するはずだ」と期待感を示した。台湾問題については、「中東問題などとのトレードオフが成立するとは考えにくい」とし、「世界の安全保障をゆがめることのないよう、地政学的判断に基づいた冷静な対処を期待する」と述べた。
来日した米国のベッセント財務長官については、「今回の日本でのパフォーマンスは非常に高く評価している。日米の財政当局が常に緊密に連携していることや、円の信頼に関して共通の認識を持ち、為替の安定と介入への理解も示していることは心強い」と評価した。併せて、「米国が意義のある政策を表明したことに安心感を抱いている」と語った。
