鎌倉(神奈川県)、土岐(岐阜県)、広島の3商工会議所は5月25日、「小規模事業者持続化補助金・優良事例発表会」(中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整備機構主催)で事例発表をした。当日は、実際に伴走支援を行った各商工会議所の経営指導員らが登壇。小規模事業者持続化補助金(以下、補助金)を活用した優良事例や商工会議所の伴走支援の内容、その成果を発表した。同発表会は、経営指導員のノウハウ共有や好事例の横展開を図り、モチベーション向上や小規模事業者の持続的な発展に向けた機運を醸成するため開催された。
鎌倉商工会議所からは、鎌倉市で日本料理店を営む一葉の池田吉正代表取締役と同所経営指導員の斎藤暁氏が登壇。同店は和食店特有の傾向でもある「年配者が客層の多くを占めることによる、店内設備の不足と劣化に伴う全体満足度の低下」を解決するために補助金を活用した。池田氏は「補助金はお金をもらう制度ではなく、自分たちを見直す機会である」と指摘。設備リニューアル後に値上げしたにもかかわらず、売上高が約2倍に増加したことを踏まえ、斎藤氏は、「『より良いものをより高く』の理念を伝えていきたいという気持ちの成果である」と述べた。
土岐商工会議所からは、土岐市で工房を営むヤマカ斎木製陶所の山内浩子代表取締役と同所経営支援員の横家雅道氏が登壇。同社は、同所のビジネススクールへの参加をきっかけに商工会議所を積極的に利用するようになった。同社は当初、円滑な廃業を目指していたが、同所からの支援をきっかけに山内氏が親族から事業を承継。その後は補助金を活用することで、業績は順調に回復している。日本商工会議所が行うイベントにも出展するなど、事業の幅を広げており、横家氏は「原理原則を大切にし、支援員も変化を楽しみながら変わり続けることが必要」と語った。
広島商工会議所からは、広島市で警備事業を営むドットバレットの玉那覇俊代表取締役と同所経営指導員の弘兼知典氏が登壇。同社はコロナ禍の影響による赤字経営の打開策として、補助金を活用した積極的な広報やトップセールスを行った。これにより企業価値の浸透が進み、売上高も前期比2.54倍に拡大。現在は、小規模事業者から中小企業へと成長を遂げている。玉那覇氏は「補助金による取り組みは当社にとって歯車が回り始めるきっかけになった。感謝している」と述べ、弘兼氏は「経営者が自律的に市場を切り開く『自走の力』を獲得したことが最大の成果である」と評価した。
