経済産業省は6月12日、第4回パートナーシップ構築シンポジウムを都内で開催した。日本商工会議所の小林健会頭はあいさつの中で、パートナーシップ構築宣言の登録企業数は9万社を超え、現場からは「価格交渉がしやすくなった」との声が上がっている現状を紹介し、「企業の意識改革に大きく貢献している」と同宣言を評価した。他方、「現場への理解浸透は今なお課題」と述べ、引き続きの周知と定着に取り組み、実効性を高めていく必要性を強調した。
同シンポジウムは、2022年度からパートナーシップ構築宣言のさらなる拡大、意義の浸透、実効性の向上と、サプライチェーン全体での協力拡大に向けた機運醸成を目的として開催している。
小林会頭は「わが国の成長型経済への移行を確実なものとするためには中小企業の持続的な賃上げが欠かせない」と指摘。商工会議所が実施した調査において、今年度に賃上げに取り組む企業が7割を超え、賃上げの定着傾向がみられる状況を紹介した。一方で、業績改善を伴わない「防衛的賃上げ」の割合が約6割を占めていることや、中東情勢によるコスト上昇の影響を踏まえ、「サプライチェーンでの適正な価格転嫁の徹底が不可欠だ」と訴えた。
加えて、価格転嫁や取引の適正化はBtoB取引にとどまるものではなく、消費者のデフレマインドを完全に払拭するためには、「良いモノやサービスには相応の値が付く」という考えの下、「『適正な対価を払うことが、巡り巡って社会全体における所得の向上、そして自らの賃上げにつながる』という好循環の思想を、社会全体に広く深く浸透させていくことが重要である」と主張。政府に対して「適正価格での取引を社会全体で受け入れる意識づくりおよび消費者への啓発活動を、ぜひ一層推進してほしい」と要請した。
また、シンポジウムでは、サプライチェーンでの新たな連携に取り組む優良事例を表彰する「第4回パートナーシップ構築大賞」の表彰式を実施。経済産業大臣賞に日立ソリューションズ・クリエイト、中小企業庁長官賞に森ビル、中小企業賞にフタバ食品と三原田組、テーマ別特別賞(GX賞)にNECネッツエスアイがそれぞれ選ばれた。
