中小企業庁は6月24日、「労働供給制約社会における中堅・中小企業の『稼ぐ力』強化戦略」を策定・公表した。同戦略は、中小企業政策審議会での議論を通じて取りまとめたもの。人口減少に伴う労働供給制約が中小企業の経営課題として深刻化している今、人は重要な希少財であると指摘。「強い中小企業」への変容を促すために、優秀な人材を引き付け、生産性向上投資を促し、企業の行動変容を促進する「賃上げ」を成長戦略の起点とし、「稼ぐ力」の強化と賃上げの好循環を目指す施策を提示した。
具体的な施策については①価格転嫁・取引適正化の強化②成長・生産性向上支援③M&A・事業承継などによる事業再編④成長を促進する中小企業金融⑤賃上げの促進⑥経営管理能力の高度化と経営改革のための伴走支援体制の強化など――の六つの方向性を示して説明している。
価格転嫁・取引適正化の強化については、中小受託取引適正化法(取適法)・受託中小企業振興法(振興法)の現場への周知徹底を図ること、官公需における価格転嫁・取引適正化、取適法対象外の取引への規制強化などを示した。
成長・生産性向上支援については、成長志向の企業創出に向けたエコシステムの構築(成長投資の補助金と政策金融を適切に組み合わせた成長投資支援の強化や地域課題解決に資するローカル・ゼブラ企業の育成、創業政策の強化など)を提示。また、適切なAIサービス提供者と支援機関の地域ごとのネットワークを構築し、AⅩ(AIトランスフォーメーション)やデジタル化を推進するとしている。
M&A・事業承継などによる事業再編については、中小企業M&Aの環境整備(支援資格制度の創設、M&A支援機関登録制度の見直しなど)を行うほか、地方部における中小M&A・事業承継の支援体制強化を提示している。
そのほか、成長投資を促す信用保証制度・融資制度、地域経済を回す資金循環の仕組みづくりや積極的に賃上げを行う中小企業・小規模事業者を後押しするため、補助金、賃上げ促進税制の見直しを検討するとし、併せて、各施策を横断的に支える伴走支援体制の抜本的強化にも取り組むとしている。
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