日本商工会議所の小林健会頭は7月15日、定例記者会見に臨んだ。小林会頭は、最低賃金の議論に当たっては、「企業の支払い能力」が最も重要であるとの認識を表明。人手不足により経営実態に合わない大幅な引き上げが行われると、廃業を誘発する可能性があるとの懸念をあらわにした。また、過度な地域間競争による大幅な引き上げについては、昨年よりも抑制的な対応を求めた。
小林会頭は、同日に開催した日商の夏季政策懇談会での議論について、各地における状況は苦しく、根底に中東情勢の影響があることや、日本が「供給制約社会」に突入した状況について言及した。参加者からの声が多く上がった事業承継については「政府への要望も含めわれわれが最優先で取り組むべき課題である」と述べた。また、単独の商工会議所だけでは解決が難しい地域課題に対し、「広域連携の動きが活発化していることが印象的であった」と語った。
最低賃金については、中央最低賃金審議会目安に関する小委員会では、まだ具体的な議論に至っていない状況であるとの前提を踏まえ、「最大の焦点は企業がどこまでなら支払えるのかということに尽きる」との見解を示した。併せて、昨年の過度な地域間競争の状況を踏まえ、「最低賃金が引き上げられ、企業が負担した分を地方行政が補助金で穴埋めする動きは政策の趣旨としても疑問。地方行政による上乗せの動きについては、昨年よりも抑制的な対応を求めたい」とくぎを刺した。
取引相場のない株式の評価方法の見直しについては「何代にもわたり続いてきた中小企業が数多く存在している。そうした企業の事業基盤を根底から覆すような変更が生じた場合、承継を諦めて廃業を選択する経営者が続出しかねず、地方の産業・生活インフラに致命的な穴をあけることに直結する」と説明し、商工会議所として反対の立場であることを強調した。
