日本政策金融公庫は9月9日、「中小企業の新事業への取り組みに関する調査」(「全国中小企業動向調査小企業編・中小企業編」特別調査)の結果を公表した。これによると、新事業に取り組んでいる企業割合は小企業が13.3%、中小企業は24.2%。新事業分野を選んだ理由は「自社の技術・ノウハウを生かせるため」が共にトップだった。取り組んだことによる効果については「会社全体の売上高の増加」とする回答割合が共に最も多くなっている。
同調査は、3月中旬に同公庫取引先の小企業(原則従業者20人未満)1万社、6月中旬に中小企業(原則従業員20人以上)1万3834社を対象に実施し、小企業4779社(回答率47.8%)、中小企業4755社(同34.4%)から回答を得た。
調査結果から新事業(これまで自社ではまったく扱っていなかった分野の製品やサービスを開発・提供することで、経営の多角化や事業転換を図ること)への取り組みの有無について見ると、最近5年間で新事業に取り組んでいる企業割合は小企業が13.3%、中小企業は24.2%だった。
従業員規模別に見ると、小企業・中小企業共に規模が大きい企業ほど新事業に取り組んでいる割合が高く、業種別に見ると、製造業では小企業が14.5%、中小企業が22.8%。非製造業では小企業が13.0%、中小企業が25.0%となっている。
新事業の分野を選んだ理由は、「自社の技術・ノウハウを生かせるため」と回答した企業割合が小企業(61.2%)・中小企業(55.6%)共に最も高かった。小企業では、次いで「これから市場規模が伸びる分野であるため」(40.9%)、「自社製品・サービスの提供ルートを生かせるため」(39.3%)、中小企業では「自社製品・サービスの提供ルートを生かせるため」(42.6%)、「これから市場規模が伸びる分野であるため」(35.3%)の順となっている。
新事業に取り組んだことによる効果について見ると、「会社全体の売上高の増加」と回答した企業割合が小企業(54.6%)・中小企業(52.3%)共に最も高く、いずれも次いで「新規顧客の獲得」(小企業51.3%、中小企業45.6%)、「利益の増加」(小企業42.3%、中小企業35.1%)の順となった。売り上げ全体に占める新事業の割合は、「0%超10%以下」が最も多く、小企業で約5割、中小企業で約6割となっている。
事業に対する自己評価を見ると、「成功」(「成功」「どちらかといえば成功」の合計)と回答した企業割合は小企業で50.4%、中小企業で49.8%。「失敗」(「失敗」「どちらかといえば失敗」の合計)とする回答割合は小企業7.2%、中小企業6.5%だった。
新事業に取り組む上での問題点を見ると、「質的な人員の確保が難しい」と回答した企業割合が小企業(33.8%)・中小企業(43.0%)共に最も高く、小企業では次いで「新事業に必要な資金の確保が難しい」(28.7%)、「製品・サービスの開発に必要な専門知識・ノウハウが不足している」(25.7%)の順。中小企業では「製品・サービスの開発に必要な専門知識・ノウハウが不足している」(34.4%)、「量的な人員の確保が難しい」(25.2%)の順となっている。
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