日本商工会議所の小林健会頭は10月1日、定例記者会見に臨んだ。小林会頭は、同日に公表された日銀短観の結果について、中小企業は全般的に為替と原材料費高騰や10月から多くの品目で値上げが広範囲に行われることで消費意欲が低下するなどの課題に直面していることを強調した。その上で「企業が物価上昇を上回る賃上げを行い、成長のサイクルに押し上げていくことが重要である」と述べた。また、政府の政策が国内消費喚起のための国内投資に重点を置く方向性を示していることから「実質賃金の上昇が引き続きの課題。金融環境は全体として緩和的な状態であり、基調も変化していない。商工会議所としても課題解決に向けて取り組んでいくが、全般的には賃金の上昇が鍵である」と主張した。
米中関係を巡りメディアなどで報道されている『日本置き去り』という表現に対し、「決してそうは思わない」と言及。日中関係について「経済界において、日中の経済関係は両国の政治関係が疎遠になる局面においても関係性を継続できている。今後も地道に関係を継続していくことが重要」と語った。
非上場株式の評価方法の見直しについては、長年運用されてきた評価方式を通達のみで一律に変更することは問題であるとし、改めて反対の立場であることを訴えた。中堅企業や収益力のある企業では「利益を出さない方が良い」と考えることにもなりかねず、「特に相続税負担が2~5倍になるような急激な変化は産業全体を俯瞰(ふかん)しても望ましくない」と述べた。加えて、「国内投資を増やし、経済成長をさらに進めようとしている局面において、その当事者である企業の成長意欲をそぐようなことは避けるべき」との見解を述べた。
米国金利上昇の影響については、通常の経済変動の範囲内であるとの認識を示した。一方で、米国の金利政策への影響については、「政治的な要因も関わるため見通しは容易ではない」と説明した。日米関係の観点から、「米国の物価や金利の上昇が日本経済にどのような影響を及ぼすのかを注視する必要があるが、現時点では政策が急激に変更される状況にはないと見ている」との考えを示した。
