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事例で解説 下請取引適正化 vol.6

わが国経済の好循環を実現するためには、「下請等中小企業」の取引条件を改善することが重要です。本コーナーでは、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の違反事例のほか、公益財団法人全国中小企業振興機関協会がこれまでに実施したセミナーにおける質問や、日々寄せられる問い合わせの中から、特に参考になる事例をQ&A形式で解説します。今回は、下請法上、親事業者に課せられている禁止事項のうち、返品の禁止についてご紹介します。

Q 顧客から物品をキャンセルされたことを理由に、下請事業者から納品され、受領した物品を返品しましたが、下請法上、問題となりますか。

A 親事業者は、下請法上、下請事業者の責に帰すべき理由(例えば、瑕疵の存在、注文と異なる納品)がないのに返品することはできません。 質問のように、顧客からのキャンセルを理由に返品することは、下請事業者の責に帰すべき理由に該当しませんので、「返品の禁止」の規定に違反することになります。

当該質問のほか、例えば、「返品の禁止」の規定に違反する行為としては、①親事業者が受入検査を行わない場合に、受領後に不良品を発見したとして返品すること、②販売不振を理由として返品することなどが考えられます。

Q 下請事業者に対して、物品の製造を依頼していますが、納品受入検査は口頭にて下請事業者に委任しています。受領後、下請事業者の責任による不具合がある物品が発見されたので返品を行いましたが、下請法上、問題となりますか。

A 下請法上、親事業者が、下請事業者から物品を受領するときに、受入検査を自社で行わず、下請事業者に対して口頭で検査を委任した場合には、物品の受領後に下請事業者の責任による不具合などの物品が発見されたとしても下請事業者に返品することはできません。返品すると、「返品の禁止」の規定に違反することとなります。下請事業者に検査を委任する場合は、書面により行うことが必要ですので、注意してください。

なお、親事業者は、下請事業者に発注書面において給付の内容を明確に記載するとともに、検査基準、方法などについて、発注前に十分協議を行い、書面により明らかにしておくことが重要です。

Q 精密機械・機器の製造を下請事業者に委託しています。下請事業者から納品された製品を受領し、自社で受け取る際に受入検査を行い、一旦合格品として取り扱いました。しかし、後日、通常の検査では見つけることができなかった不良品があることが判明したため、受領後4カ月が経過していましたが、返品しました。下請法上、問題となりますか。

A 親事業者は、下請事業者から納入された物品などを受領した後、その物品などに、直ちに発見できる瑕疵があるなど、明らかに下請事業者に責任がある場合においては、受領後速やかに不良品を返品することは問題ないと思われます。

質問のように、通常の検査で発見できない瑕疵で、ある程度期間が経過した後に発見された瑕疵については、その瑕疵が下請事業者に責任があるときには、当該物品などの受領後6カ月(一般消費者に6カ月を超える品質保証期間を定めている場合には、その保証期間に応じて最長1年)以内の返品について問題はないと思われます。

なお、受入検査の結果、不良品とされたものは速やかに返品する必要があります。返品せずにそのまま放置などすると、6カ月以内の返品でも違法な返品として下請法上問題となり得ますので注意してください。

提供

公益財団法人 全国中小企業振興機関協会
(旧公益財団法人 全国中小企業取引振興協会)
下請取引適正化の推進を目的に、全国48カ所に設置された「下請かけこみ寺」を中小企業庁の委託により運営するなど、中小企業支援機関として各種事業を実施しています。
HP:http://www.zenkyo.or.jp

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