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事例で解説 下請取引適正化 vol.13

わが国経済の好循環を実現するためには、「下請等中小企業」の取引条件を改善することが重要です。本コーナーでは、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の違反事例のほか、公益財団法人全国中小企業振興機関協会がこれまでに実施したセミナーにおける質問や、日々寄せられる問い合わせの中から、特に参考になる事例をQ&A形式で解説します。今回は、下請法上、親事業者に課せられている禁止事項のうち、不当な経済上の利益の提供要請の禁止についてご紹介します。

Q 精密機械の部品の製造・加工を行っています。下請事業者に大型の金型を預けた上で当該金型を使用した精密機械部品の製造を委託していますが、当社は取引先との精密機械部品の取引が終了したことから、下請事業者との精密機械部品の取引も終了させました。取引が終了してから1年間くらいたつのですが、下請事業者からは当社の金型をまだ引き取ってはおりません。下請法上、問題となりますか。

A 親事業者が自社の金型を預けた上で当該金型を使用した物品の製造を下請事業者に委託することは問題ありませんが、製造の委託が終了した後も、親事業者のために当該金型を無償で下請事業者に保管させることは、保管料を下請事業者に負担させることになり、下請法上、不当な経済上の利益の提供要請として問題となるおそれがありますので、注意してください。 なお、質問のような事例は、2016年12月14日付けで改正された下請法の運用基準において、違反行為事例として明記されています。

Q 下請事業者に対して、製品の製造を依頼していますが、発注をした製品の売れ行き不振のため在庫調整が必要となり、当該製品を下請事業者に6カ月間保管してもらうことにしました。当社の都合なのですが、下請事業者には製品の製造代金を指定納期に受領したこととして支払いました。下請法上、問題となりますか。

A 製造代金に保管料は含まれていませんので、本来親事業者が保管すべき製品を下請事業者に無償で保管させることになり、下請法上、不当な経済上の利益の提供要請に該当するおそれがあります。 下請事業者にやむを得ず保管を要請するのであれば、親事業者は下請事業者と十分な協議を行った上、親事業者が負担すべき費用を負担して保管をしてもらうことが大事ですので、注意してください。

提供

公益財団法人 全国中小企業振興機関協会
(旧公益財団法人 全国中小企業取引振興協会)
下請取引適正化の推進を目的に、全国48カ所に設置された「下請かけこみ寺」を中小企業庁の委託により運営するなど、中小企業支援機関として各種事業を実施しています。
HP:http://www.zenkyo.or.jp

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