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事例で解説 下請取引適正化 vol.9

わが国経済の好循環を実現するためには、「下請等中小企業」の取引条件を改善することが重要です。本コーナーでは、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の違反事例のほか、公益財団法人全国中小企業振興機関協会がこれまでに実施したセミナーにおける質問や、日々寄せられる問い合わせの中から、特に参考になる事例をQ&A形式で解説します。今回は、下請法上、親事業者に課せられている禁止事項のうち、下請代金の減額の禁止についてご紹介します。

Q 旅行者などに提供する海外における現地手配業務を下請事業者に依頼しています。下請事業者に下請代金を支払う際、「販売促進協力金」として、下請代金の額に一定率を乗じて得た額を下請代金から減じています。下請法上、問題となりますか。

A 下請代金の減額とは、下請事業者の責任がないのに、発注時に決定した下請代金を発注後に減額することであり、減額の名目、方法、額の多少を問わず、またいつの時点で減額しても下請法の違反となります。質問の例では、親事業者の利益確保を目的とした「販売促進協力金」などの名目で、下請事業者の責任がないのに下請代金から減額することは下請法違反となると考えられます。なお、「販売促進協力金」の名目で下請代金から差し引くことは「下請代金の減額」、別途支払わせることは「不当な経済上の利益の提供要請」として問題になります。

Q 電子機器などの部品の加工を下請事業者に委託しています。下請事業者から納品されるものは、検査を行わず、受領しているのですが、当社の製造工程において不良品が発見されることがあります。当社としては、返品はしませんが、不良品対策として、下請代金を支払う際に、一定額を減額することを考えています。下請法上、問題となりますか。

A 親事業者は、下請事業者からの納品の際に検査を行わず受領している場合は、納品物に瑕疵があっても返品することはでき ませんし、たとえ下請事業者と合意がなされたとしても、下請代金から一定額を減額することはできません。なお、不良品の発生が避けられないのであれば、受け入れ検査の実施を組織として検討することが大事です。

提供

公益財団法人 全国中小企業振興機関協会
(旧公益財団法人 全国中小企業取引振興協会)
下請取引適正化の推進を目的に、全国48カ所に設置された「下請かけこみ寺」を中小企業庁の委託により運営するなど、中小企業支援機関として各種事業を実施しています。
HP:http://www.zenkyo.or.jp

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