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安倍晋三首相あいさつ要旨 下請け取引改善に注力

あいさつする安倍首相

全国津々浦々の中小・小規模事業者の皆さんが元気になることなくして、アベノミクスの成功はない、私はかねがねこのように申し上げてまいりました。ですから、これまでのどの政権よりも、下請け取引の改善に力を入れて取り組んできたと、そう自負をしております。

下請け代金の手形支払いに関する通達を半世紀ぶりに見直し、支払いは可能な限り現金とする方針を決定しました。これまでの下請けいじめの実態を踏まえて、下請法の運用基準を13年ぶりに改定し、買いたたきなどの違反事例を2倍以上に増やしました。産業界に要請した自主行動計画の策定は、自動車や電気など12業種、32団体まで拡大しています。

昨年末には下請け振興基準を改正し、大企業では来月から始まる働き方改革を見据え、中小・小規模事業者の皆さんへの納期負担のしわ寄せの禁止などを盛り込んだところです。下請けや転嫁のGメンも600人態勢に強化し、望ましくない商慣行には厳正に対処してまいります。

このようにアベノミクスの果実が、全国360万者の中小・小規模事業者の皆さんに広く行き渡るようにしていく。同時に、重要なことは、この果実を未来に向けた成長にしっかりとつなげていくことです。 そうした観点から、先月成立をした補正予算に、1100億円規模でものづくり補助金やIT導入補助金など、皆さんの生産性革命を後押しするための予算を盛り込みました。このものづくり補助金は長らく、補正予算が組まれた時だけの期間限定の政策でしたが、皆さまからの強いご要望にお応えをいたしまして、現在審議中の来年度予算では、初めて当初予算に盛り込むことといたしました。これによって、全国の中小・小規模事業者の皆さんの生産性向上への取り組みを、切れ目なくしっかりと支援してまいります。

設備投資への固定資産税ゼロの税制も昨年から始まっています。実施するかどうかはあくまで自治体の判断ですが、昨年のこの総会で、私から1000を超える自治体で実施されるだろうと申し上げましたが、実際にはそれ以上、1600を超える市町村で、固定資産税ゼロが実現をいたしております。今は赤字で苦しいけれど将来のために投資しよう、そうした皆さんを安倍内閣は全力で応援してまいります。

こうした生産性向上への取り組みを進めてもなお追い付かない、深刻な人手不足の問題に立ち向かうため、外国人材を受け入れる新しい就労制度を創設しました。来月からスタートいたします。素形材産業、介護、建設業などの分野で、今後5年間で最大34万人を受け入れる。これだけの規模はわが国にとって初めての経験ですが、現場の皆さんのニーズにしっかりと応えていくために、在留管理をはじめ制度運営に万全を期していく考えです。

人手不足と並んで、現場の皆さんから強く要請されていたのが後継者不足の問題です。これについても、安倍内閣として最重要課題と位置付け、取り組んでまいりました。全国47都道府県に事業引継ぎ支援センターを設置し、後継者のマッチングに取り組んできました。今年はそのデータベースを抜本的に拡充し、全国ワイドで後継者探しが行えるよう、機能強化を進めます。

そして、大胆な事業承継税制を個人事業主にも拡大します。昨年、法人については承継時の贈与税、相続税の負担を実質ゼロにすることといたしましたが、わずか11カ月で2500件を超える申請を頂いております。

本年10月に予定されている消費税率引き上げに当たっても、中小・小規模事業者の皆さんに限定して、これまでにないポイント還元策を実施します。あまりの大胆さに、国会審議では野党から連日激しい批判を浴びておりますが、それだけインパクトが大きな政策だと評価してもらっていると、前向きに捉えるようにしています。

世界では今、キャッシュレス決済が急速に普及しています。外国では路上での募金集めも、募金箱ではなくてQRコード1枚で行っている、そうした時代がやって来ています。訪日外国人観光客は昨年、政権交代前の4倍近く、3000万人を超えましたが、アンケートによれば、その7割がキャッシュレスがあればもっとお金を使っていたと答えています。

このチャンスを逃す手はありません。決済端末の実質負担ゼロ、手数料補助など、あらゆる支援策を総動員し、今回のポイント還元を単なる増税対策に終わらせることなく、新しいキャッシュレス時代を開く大きなきっかけとしたいと考えています。

あと1カ月余りで歴史的な皇位の継承が行われ、元号が新しくなります。6月には、わが国初となるG20サミットが大阪で行われます。秋にはラグビーワールドカップ、そして年が明ければ東京オリンピック・パラリンピックです。この大きな歴史の転換点にあって、全国の中小・小規模事業者の皆さんには、もっともっと元気になってもらわなければなりません。安倍内閣はこれからも経済最優先で取り組んでまいります。 (3月20日)