創業10余年の小さなメーカー・バルミューダが、平成22年に発売した〝次世代型〟扇風機が異例のヒットを続けている。その名は「グリーンファン」。モーターの回転を利用して風を生み出すシンプルな構造だが、従来品と一体どこが異なり、なぜ多くの人から支持を得ているのか。その〝怒涛〟の製作秘話に迫る。
倒産の危機で新たな分野へ挑む
1台3万円以上する扇風機「グリーンファン」シリーズ。従来品の10倍ともいえる価格ながら、発売5年で数十万台を売り上げ、これ以上発展の余地がないと思われた扇風機市場に風穴を開けた。 同商品の特徴は、独自の14枚2重構造の羽根により自然界の風を再現したこと。さらにDCモーターを世界で初めて採用して、従来品の約20分の1の省エネルギーと、蝶2羽の羽ばたき音程度の13㏈という静音性を実現したことにある。
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