緊急事態宣言を日本全国に拡大することが発表されました。パンデミック爆発を予防するため「最低7割、できれば8割」の接触削減が必要といわれています。海外に比べ「要請」という緩やかなもので、目標値に届くのでしょうか。7割に届かないと感染状況は、一進一退が続くといわれています。長期戦を覚悟しなければいけないかもしれませんね。それでも、いつかは終息する。この終息後に生まれそうなビジネスを考えておくタイミングになってきたかもしれません。
東日本震災の後には、ワークライフバランスという発想が広まったといわれています。設備被害や原発事故に伴う電力供給低下を回避するため、残業を減らす要請がありました。この要請を受けて残業が減ったことで、会社も社員もワークライフバランスの重要性に気付き、取り組みが加速しました。結果として女性活躍、育児支援、在宅勤務などが広がって関連ビジネスが生まれ、2000億規模の市場が形成されました。
では、コロナ終息後に何が生まれそうでしょうか? 日本全国で移動や接触が規制されたことで、手軽な会議システム、動画によるバーチャル体験、宅配サービスに注目が集まることになりました。例えば、Uber Eats(ウーバーイーツ)による宅配サービスを活用する飲食店が増えています。店舗の休業により、減った売り上げの挽回策としてオーナーが導入したのでしょう。あるいは休日に旅行を計画していたものが頓挫。そのストレスを解消するために、有料動画サービスの旅番組を視聴する人が増えています。移動せずに現地体験ができるプラットフォームの活用が増えたのです。筆者もGWは温泉に家族で旅行を計画していましたが、中止せざるを得なくなり、Netflix(ネットフリックス)に加入して映画やドラマを見ながら、宅配の料理で楽しむ休日となりました。やってみると、それなりに楽しい時間が過ごせるのです。
コロナはこうしたライフスタイルを優先する人が増えるきっかけとなった気がしてなりません。活用が広がったプラットフォームに料理や観光コンテンツ、また産品などを提供する取り組みが必要ではないでしょうか?
新たなビジネスチャンスと考えて、準備を進めてみてください。現状ではシステム導入に四苦八苦する企業・地域が大半かもしれませんが、終息後も手軽さや面白さで定着・継続すると思われます。
(立教大学大学院非常勤講師・高城幸司)
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