トップの役割の一つに、社員が抱えている仕事や個人的な問題を共に考え、バックアップするという重要な業務があります。私の仕事は、企業やプロジェクト、あるいは組織のトップや次世代の支援ですが、実際やらせていただいていることは、コンサルティング、コーチング、カウンセリング、ティーチング、エデュケーションなど、多岐にわたるバックアップ。ですから、トップの皆様と私は同じ役割を担っているわけです。そこで、本連載数回に分けて、さまざまなバックアップの方法について紹介させていただこうと思います。
コンサルティングというのは「こうやると、こうなります」という仮説に基づいて業績を伸ばすことです。コーチとは馬を上手に走らせる人のこと。野球のコーチも選手にノウハウを教える人のことで、目的は人の能力アップです。カウンセリングとは、スランプの相手をどう立ち直らせるかの指導をすること。またティーチングというのは、しつけ・マナーをはじめ、営業の方法などを教育することです。そしてエデュケーションというのは、基礎教育を施しつつも、その人の持っている資質ややりたい事など、良いところを引き出すことを指します。リーダーは時によって、手を変え品を変えながら部下を育てていく、というわけです。
さて、昨今、目の覚めるようなカウンセリング効果を私たちは体験しました。
フィギュアスケートの浅田真央選手がソチオリンピックのショートプログラムの演技で、3回転半のジャンプ、トリプルアクセルで失敗して転び、後のジャンプにも失敗して16位。日本中が胸を痛めた時のことです。フィギュアスケートの大技ジャンプは、的確なスピード、100分の1秒ほどの蹴るタイミング、体の軸の微妙な傾きなど繊細な要素が揃った時に成功するもので、これはもう感性の問題だと聞きます。大会で大事なジャンプを大失敗すると、感覚を元に戻すのに一年かかる場合もあり、一回の失敗が原因で選手生命を終える一流選手もいるほど、感覚が乱されるものらしいのです。
しかし翌日、真央ちゃんは最高の演技を見せてくれました。
この回復劇には、佐藤信夫コーチの言葉があったことをお聞き及びの方も多いと思います。「今まで練習してきたことを信じれば大丈夫。全て忘れて気合を入れていけ。何かあったら助けに行く」。
素晴らしいカウンセリングとコーチングは、回復に一年かかるダメージを一晩で立て直すことができる、すごい力を持っているのです。
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担当:髙橋
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