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コラム石垣 2019年7月11日号 中山文麿

最近、次世代通信規格の5Gを巡る動きが熱い。今年初め、米国と韓国の通信大手が5Gの商用サービスの一番乗りで争った。

▼5Gは現行の4Gと比較して、通信速度が100倍速い。また、2時間の映画のダウンロードも3秒でできる。ただその周波数は28ギガヘルツ(GHz)のミリ波帯で数百メートルしか届かないのが難点だ。

▼5Gを利用すれば、高度医療技術を有した専門医が遠隔地の患者も執刀できる。また、ドイツは5Gによって先進的なスマート工場を造り上げる計画だ。さらに、リアルタイムの自動通訳や完全自動運転にもこの5G通信が欠かせない。

▼5Gを制する者は世界の軍事的・経済的覇権を握ることができる。中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は5Gの特許出願数や基地局の設置で群を抜いている。米国は安全保障の面から同社の通信技術力に脅威を感じている。ファーウェイの任CEOは5Gのソフトにバックドアなどは入れていないと強調している。しかし、有事の際や基地局のメンテナンスの時などに中国当局の指示によって通信が妨害されたり、ソフトが書き換えられる危険が存する。

▼日本では5Gの商用化は来年の予定である。しかし、それでは遅く、一刻も早い導入が望まれる。5Gの開発費を抑えるため、基地局の設置場所として約20万本の信号機の利用など国を挙げて推進したいものである。

▼5Gによって得られるIoTなどの膨大なデータは宝の山であり、その活用いかんではこれからのデジタル世界において他を圧倒できる。従って、自分が現在取り組んでいる会社の仕事に5Gを組み合わせたらどのようなイノベーションが成し遂げられるかを考えてもらいたい。

(政治経済社会研究所代表・中山文麿)

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