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「下町育ちの再建王」の経営指南 波動の原理 ~『素頭』を鍛えて営業能力を上げる~

私の師である株式会社船井総合研究所の創業者・舩井幸雄氏から学んだ言葉の一つに“波動の原理”があります。今回はこのことについて話していきたいと思います。

今から15年ほど前、舩井氏は、スーパーストリング・セオリー、超弦理論(超ひも理論)を引っぱり出して講演をしていました。その中で、「素粒子にも意志がある」というような話もあったのです。正直なところ、アインシュタインに憧れ、東大の物理学科に行きたいと思っていた私には、若干怪しく感じられました。

それでも私はこれを何とか理解しようと、いろいろと調べてみました。しかし、フォトン(光子)のような最小の粒子の大きさは、10のマイナス23乗の大きさであるということは分かりましたが、そこに「意志」があるかどうかは、ついに理解できませんでした。

結局、“波動の原理”とは、前号でも書いた“鏡の原理”と同じことで、こちらの思いは波動として相手に映り、反射するものだ、ということです。誰かに初めて会ったとき、「この人は苦手なタイプだな……」と思うと、それが『微表情』に出て、相手にも感じ取られます。すると、相手もこちらを好む感覚を持たないことが多いのです。

ビジネス上で人間関係をうまく構築してゆくには、すべての人に好感をもたれる方が得です。ですから、自分が相手に対して「感じのいい相手」という印象を持っていることを、先方に感じさせることが有利になります。私は、どちらかというと人見知りで、好き嫌いの激しい方なのですが、船井総研で年間3億円以上の売り上げを上げるためには、私が相手に好意を持ち、付き合うすべての人から、感じのいい人と思われるような立ち振る舞いや、言動をしていました。その結果、ほとんどすべてのクライアントといい関係を続けることができました。

私は、人の能力には、よく『素頭』と『地頭』の2つがあると話しています。『素頭』とは、相手の仕草や態度の隅々から感じたディテール(細部)より、相手の気持ちとか感覚を摘み取り、二人の間の空気を温かいものにしていく能力のことです。これは後天的に習得できますので、これが“波動の原理”に大いに役立つ訳です。優秀な営業マンの大半は、「『素頭』のいい人」に当てはまります。一方、『地頭』のいい人は、IQや記憶力、計算能力は優秀です。これに頼っていい大学などを出た人は、この能力で十分生きていけると思っていることが多く、『素頭』を鍛えない人も多いのです。 学校の成績がいまひとつでも営業能力のある方々は、『素頭』こそが成功の決め手です。“波動の原理”を理解し『素頭』を鍛えましょう。

小山 政彦(こやま・まさひこ) 株式会社 風土 代表取締役会長 (前 船井総合研究所 代表取締役会長) 1947年、東京生まれ。開成高校卒。早稲田大学理工学部数学科卒業後、実家のディスカウントストア経営に携わる。84年、船井総合研究所に入社。6年後には売り上げ3億円のNo.1コンサルタントになる。2000年の社長就任後は大証2部から東証1部上場、離職率20%台を6%までに改善、賞与支給No.1企業など経営者としても手腕を振るう。10年には代表取締役会長に就任。13年3月をもって退任し、現在は㈱風土代表取締役会長を務める。著書に『ベタ惚れさせるマネージメント』(講談社)、『9割の会社は人材育成で決まる!』(中経出版)など多数

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社名:株式会社 風土

TEL:03-5423-2323

担当:髙橋

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