何でも相談できる存在を目指す
よしもと葬祭 代表 吉本 純子
遺族の心のケアを大切にし、安心できて満足のいくお別れをお手伝いしたい
心を込めたお別れの場づくり
よしもと葬祭の始まりは、葬儀の仕事を40年近く続けていた父の定年退職がきっかけでした。周りの方々から「葬儀をどこに頼んだら良いか困ってしまう。吉本さん葬儀の仕事してよ」などと言っていただくことがあり、私も「この年齢だからこそできることもあるので遅くはない。今までお世話になった方々のお役に立てるよう、葬儀の仕事を始めるのもいいのでは」と母に話しました。
翌日、父と母が葬儀に必要な備品を注文したり、つくったりと、始まりは突然でした。私自身も7年ほど湯灌の仕事をしていてお別れのお手伝いをする大切さは分かっていたので、できることがあれば、と加わることにしました。
地元でも、本当に小さな葬儀社としてスタートしましたが、小さいからこそできることにこだわり、一つ一つを形にしていこうと思いました。ただ、こだわった結果で費用が高額になっては、よしもと葬祭の思いと違ってしまいます。費用を抑えても質の良いサービスを提供できる方法を日々考えました。
そして、仏具などは貸し出すことにして、たくさんのオプションメニューをやめることにしました。基本的な物をプランに全て含めることで、お客さまには分かりやすく、管理する側の負担も減ります。細かな部分ではありますが、常に工夫して極小スペース・少人数でも運営できるようにしました。
祭壇は、故人さまだけのオリジナルにするため、お花を飾る台は地元の家具屋さんにつくっていただきました。仏具も自分たちでアレンジするなど、アイデアが浮かぶと常に変化させています。
最後の時間をゆったりと過ごしてほしい
小さい葬儀会社だからこそ地元商店の方々の力を借り、心の込もったお別れの場づくりに取り組んでいます。例えば、演出には天然の緑茶から香りを抽出することに成功されたアロマ会社の香りを使用し、気持ちを和らげる空間をつくっています。また、ご弔問に来られた方々をお迎えするアプローチに伝統工芸である駿河竹千筋細工の行燈を飾ったり、ギフトには地元で有名なお米屋さんの詰め合わせを用意したりと、静岡の良さを感じられる工夫をしています。
これらは、「温かいお別れの場を提供したい」という思いで行っています。故人さまとの本当に最後の時間です。近くて便利だけど、高額な葬儀費用ばかりが印象に残ってしまっては寂しい気がします。葬儀規模の大小は関係なく、どういう送り方をしたいのか、費用や内容についてきちんと相談に乗れるように、慌ただしい中でも打ち合わせの時間を大切にしています。
時には、介護の苦労話や、生前の故人さまとの思い出話なども聞いています。ご遺族さまの心のケアも大切にしているからです。
家族の形が多様化している現代、いろいろな事情に対応できるように、よしもと葬祭は「目配り、気配り、心配り」をモットーに、何でも相談に乗れる存在になることを目指しています。
会社データ
社名:よしもと葬祭
所在地:静岡市
創業:平成23年
事業概要:葬祭業(葬儀に伴うサービス全般)
※月刊石垣2014年5月号に掲載された記事です。
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