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情熱ぴーぷる 第12回女性起業家大賞・スタートアップ部門 奨励賞

共に生きる 充実した生活を送るために

社会福祉法人ゆずり葉 理事長 梶川 ゆりこ

社会貢献を通じて笑顔を増やし、自信と目標を持ってもらう

社会福祉法人ゆずり葉 理事長 梶川 ゆりこ

お弁当製造で自立を支援

創業のきっかけは、障がいがある方に、働くことによって自信を持ち、生きる目標を見いだしてほしいと考えたことでした。

当時は、障がいのある方が働ける場所はまだまだ少なく、就職しても定着しなかったり、生活が困窮して不安定な精神状態が続いたりと、豊かな日本社会の中にあっても自立にはほど遠い状態の方もいました。また、本人も親も行き先に不安を抱えている状況でした。そこで、障害福祉サービス事業として弁当店の「ゆめランチ」を始めたのです。

弁当の製造は、材料の調達から、仕込み、調理、盛り付け、配達、食器洗浄や清掃など、仕事の工程や量もさまざまです。「安全なお弁当をつくらなければならない」という意識はおのずと高まりますし、力を合わせなければ完成しません。お互いを必要とし、必要とされながら、チームワークを育んでいきました。

一日を忙しく働いたことが売り上げに結びつき、充実感も得られます。食事をつくることは自活の基礎なので、就労支援に弁当製造を選んだのは本当に良かったと思います。

一人暮らしの高齢者を夕食配達で支える

私どもの就労支援の1つに、基準以上の工賃を支払うことがあります。職員は、安定した工賃を支払うために働いていると言っても過言ではありません。

おかげさまで業績も伸びています。近隣企業などへの昼食の配達から、テイクアウトの日替わり弁当や総菜の販売、コンビニへおにぎりセットやおでんなどを納品するなど、他社との差別化を図りながら安心して食べられるお弁当づくりを続けてきました。

また、武雄市の委託事業である一人暮らしの高齢者宅への夕食の配達は安否確認を兼ねたもので、怪我や病気で倒れているのを発見して救急車を呼んだり、ボヤを発見して消火を手伝ったりしたこともあります。

お弁当は栄養士が考えた献立で、高齢者の皆さまへは特に柔らかく調理したり刻み食にするなどして配慮し、また、糖尿病の方にはカロリー制限に気を付けています。「今日もおいしいお弁当をありがとう」と手紙をいただくこともあります。高齢者福祉にも携わることができ、みんなで誇らしく思っているところです。

現在は、お弁当店の他に2つの事業所で42人が働きに来られます。1つは無公害のライン材と陶器の製造、もう1つは重い障がいのある方のための作業所です。障がいの程度や特性はさまざまなので、一人ひとりに合わせた個別支援計画をつくり、指導しています。

今後は、一人暮らしの高齢者を含めて「買い物弱者」の皆さまに必要な物品をお届けするサービスを新たに展開し、みんなで力を合わせて仕事をしたいと思っています。明るい笑顔で働けたら、ご家族もどんなに安心でしょう。少しでも社会貢献できるように努力を重ねていきたいと思っています。

法人データ

法人名:社会福祉法人ゆずり葉

所在地:佐賀県武雄市

創業:平成20年

事業概要:障害福祉サービス事業

HP:http://www.nature21.net/suzuran/yumerannti.html

※月刊石垣2014年4月号に掲載された記事です。

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