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コラム石垣 2017年3月21日号 丁野朗

「食農体験ソムリエ」をご存知だろうか。地域の資源や特性を生かした食と農の体験プログラムを作成し、これらを消費者に安全かつ有意義に伝えられる技術(スキル)をもったアドバイザーのことである。食農体験ネットワーク協議会が指定する認証施設で知識と実技からなる養成研修を受講することによって認定される。「食農体験」とは、地域の農業や食品、料理をより魅力的に表現し、住民や観光客(外国人を含む)などの消費者が当該地域の魅力を感じ取ることができる体験のことを総称している。

▼食農体験ソムリエは、農林水産省が平成28年度に始めた「新たな食環境に対応した食育活動モデル推進事業」の一環として創設された。「日本型食生活」の普及実践、食や農林水産業への理解促進と消費拡大とともに、消費者のさまざまなライフスタイルやニーズに対応した食育メニューを体系的に提供するモデル的取り組みに対する支援メニューの一つである。本年度の研修は、すでに昨年の12月から今月にかけて全国5カ所の認証施設で実施されたが、本年度は全国で約150人が認定される予定である。

▼言うまでもなく、食は日々の暮らしの基本であるが、観光においても不可欠な資源の一つである。すでにワインや野菜といった分野でも「ソムリエ」が誕生し、食を楽しむ仕組みづくりが進んでいる。しかし、その食の源となる農業や漁業などの生産、さらにはそれぞれの食資源や食文化、そして、これらを生み出した地域の歴史などをトータルに解説できるガイドは数少ない。「食」が観光資源になるためには、こうしたトータルなガイドを養成することも不可欠であろう。

(公益社団法人日本観光振興協会総合調査研究所特別研究員・丁野朗)

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