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コラム石垣 2016年7月21日号 丁野朗

訪日外国人の急増を背景に「観光立国」が国策の大きな柱の一つになりつつある。しかし東京・大阪・京都など一部の地域を除き、多くの地域では、受け入れ体制を巡って少なからぬ混乱も見られる。

▼その混乱をさらに加速しているのが地域観光組織DMO(Destination Marketing/Management Organization)である。DMOはカリフォルニアなど米国西海岸、スイスやドイツなどの欧州諸都市、オーストラリア、ニュージーランドなどのオセアニアなどで、すでに30年以上の実績を持つ広域観光推進組織である。これらをモデルに、わが国でも観光地域経営を担う組織としてDMOの設立準備が進み、今年5月末現在で81の法人が認定されている。

▼しかし、アメリカをはじめ海外の観光組織は、原則として民間が担うものであり、行政が前面に立って関与することはまれである。民間主導の事業があり、これらの組織化が進められ、その事業を促進するために、やがて制度ができるという流れが一般的である。

▼これに対して、日本では中央政府のリードのもと、まずは制度ありきの議論が先行してしまう。従って、個々のDMOが、どんな事業を推進し持続性を担保できるかといった肝心の議論が往々にして後回しとなる。

▼官主導の組織では補助金が投入されるが、自らしっかりとした事業基盤を持たない組織は、補助金がなくなると持続できなくなる。DMOの頭に「日本型」が冠されているが、これを官主導、制度ありきの事業手法であるといった厳しい指摘もある。DMOの発想は素晴らしいが、形式ではなく、その哲学こそ学ぶべきではないかと思う。

(公益社団法人日本観光振興協会総合研究所長・丁野朗)

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