新見商工会議所(岡山県)は昨年10月から今年1月にかけて、新見市の主要産業である石灰業の振興および高校生のキャリア教育支援を目的に「石灰のまち新見 観光資源発掘事業」を行った。同事業は、高校生が石灰の採掘現場の視察などを経た上で、観光への活用や商品開発に向けて提案を行うというもの。同市には石灰関係の事業所が多く存在しているが、石灰について住民や観光客にあまり知られていないという現状の改善を目指す。
同事業は、新見市内の二つの高校と協力し、石灰を用いた新商品の開発や、石灰を観光資源として有効活用することを目指す。また、地場産業である石灰業の知識習得やディスカッションなどを通じて、生徒の発案能力やプレゼンテーション能力の向上を図る。
昨年10月、11月に生徒は企業の概要について説明を受け、12月には石灰の採掘現場を視察した。重炭酸カルシウム製造販売会社である備北粉化工業の唐櫃(からひつ)鉱山を訪れ、石灰石を重機で削ったり運び出したりする作業を見学した。
今年1月には石灰業に関わる事業者も交えて生徒がグループディスカッションを行い、アイデアを出し合った。参加者からは、入り組んだ通路や白い壁を持つ鉱山を活用し、お化けやしきの設置や映画の上映、また、露天の採掘場にある広いスペースを活用し音楽のライブを開催してはどうかといった意見が出た。今後、生徒のアイデアについて、石灰関連事業者へのプレゼンテーションを検討する。
同市や倉敷市など7市3町は、地域活性化に向けて連携し事業を行っている。同所は、その連携事業の一つである「高梁川流域未来人材育成事業」の採択を受け、高校生が石灰の活用へアイデアを出す取り組みを行った。
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