コラム石垣 2018年2月11日号 中山文麿

今年初め、米ゼネラル・モーターズ(GM)は来年から無人運転の車を製造し、タクシーで使いたいとの方針を発表した。この自動車にはハンドルや、アクセルとブレーキのペダルが無い。これは自動運転のレベルで、場所など一定の条件が付くが、基本的には全て無人で動き、最も自動化の進んだレベル5より一段低いレベル4に相当するものだ。

▼このように早く無人化が実現できるようになったのは自動運転を取り巻く周辺技術の大きな進歩があった。例えば、米エヌビディア社の画像処理半導体(GPU)の普及、レーダーや赤外線などのセンサー技術の進歩、ならびにそれらを処理する人工知能の著しい進化である▼しかしながら、無人自動車が公道を走るには、まだまだいろいろクリアしなければならない課題が存在する。例えば、道路交通に関するジュネーブ条約によれば自動車は運転者が運転しなければならないとか、当該国の道路交通法などの法制度が追い付いていないことなどがある。

▼また、事故を起こしたときの責任は誰が取るのか。無人自動車を提供した人が取るのか、その自動車を製造した人が取るのかなどの問題も含めて国連の作業部会でも議論が進められている。

▼さらに、無人自動車は、インターネットにつながってくるコネクティドカーがハッキングされることが怖い。今でも、ハッカーが自動車を乗っ取りハンドルやブレーキを任意に遠隔操作できる▼グーグルやアップルなどこれまで車の製造とは関係のなかった異業種の企業も積極的にこの分野に参入してきている。またこのGMの無人自動車によって、例えば、タクシーの運転手などの人たちが職を失う負の側面もあることを忘れてはならない。

(中山文麿・政治経済社会研究所代表)

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