政府は5月27日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応する2020年度第2次補正予算案を閣議決定。6月12日に参院本会議で可決、成立した。店舗の賃料の支援や企業の財務基盤の強化策などを盛り込み、一般会計の追加の歳出は総額31兆9114億円と補正予算として過去最大となった。
日本商工会議所は3月6日に「新型コロナウイルス感染症対策における中小企業支援に関する緊急提言」、3月30日に「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済対策に関する緊急要望~感染拡大防止の徹底と地域経済社会への影響の最小化に向けて~」、5月19日に「新型コロナウイルスの影響長期化を踏まえた中小・小規模事業者の事業継続に向けた緊急要望」を取りまとめ、政府に提出。これらの働き掛けの結果、家賃支援給付金の創設や雇用調整助成金・持続化給付金の拡充など、多くの要望項目が実現した。
店舗の賃料の負担を軽減するため、「家賃支援給付金」を創設する。売り上げが昨年より1カ月で50%以上減少した事業者や3カ月で30%以上減少した事業者が対象。中堅・中小企業は月に50万円、個人事業主は25万円を上限に、原則、賃料の3分の2を半年間給付する。複数の店舗を借りている事業者は上限額を、中堅・中小企業は100万円、個人事業主は50万円に引き上げる。今年1月から3月までに創業した事業者も対象とする。
また、一時的な休業などで従業員の雇用維持を図る企業に対し、休業手当などの一部を助成する「雇用調整助成金」を抜本的に拡充。1日当たりの上限額を現行の8330円から1万5000円に、月額では33万円に引き上げる。上限額や助成率の引き上げの特例適用期間は今年4月から6月末までを9月末まで延長し、解雇を行わない中小企業には全額を助成する。
中小企業や個人事業主に最大200万円を給付する「持続化給付金」は原資を1兆9400億円追加計上した。今年1月から3月末までに創業した事業者で、いずれかの月の売り上げが1月から3月までの平均より50%以上減少した事業者を給付対象に加える。フリーランスで収入を雑所得や給与所得として確定申告していた人も、契約や支払いを証明する源泉徴収票や支払調書など、事業を行っていることを確認できれば対象になる。
さらに、勤め先の資金繰り悪化などで休業手当を受け取れない人に国が直接給付する「休業支援金」制度を創設する。給付率は休業前の賃金の8割で、上限額は雇用調整助成金の水準に合わせ、月額33万円とする。適用される期間は今年4月から9月末まで。
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