日本商工会議所の三村明夫会頭は2日、東日本大震災沿岸部被災地区商工会議所連絡会との懇談会に出席した。同連絡会から確実な復興・創生の実現に向けた要望書を受け取った三村会頭は、日商としても意見を取りまとめ、政府などにその実現を強く働き掛けていく考えを示した。
要望書では、「多大な被害を被った太平洋沿岸部では、現在もなおインフラ、販路回復、労働力確保、新たなまちづくりなど復興に向け多くの課題を抱えている」と被災地の現状を指摘。インフラの復旧・整備、観光・農林水産業の再生、人手不足への対応、原子力災害からの復興・再生の加速など各種支援策を要望している。
被災地では、原発事故に起因する企業業績悪化が深刻化するとともに、復旧・復興に対する被災地の抱える現実と被災地外から見える地域の姿に差が生じるなど、被災地だけでは解決できない課題が山積し、自立に向けて困難な状況が続いている。また、復興が進むにつれ各地域が直面している課題も多様化し、地域の実情に応じたきめ細やかな支援が必要となっている。
三村会頭は、「震災から間もなく7年が経過する。全体として復興は着実に前進する一方、一部の道路や鉄道などの交通インフラには遅れが見られ、原発事故については収束の見通しが立っていない」と指摘。2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会を「復興五輪」として世界にアピールできるよう、大会までの2年余りの間に完全復興を成し遂げるため、「必要な支援と対策実施の加速化を政府に強力に要望していきたい」と意欲を示した。
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