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Q&Aで解説 守ろう下請法 vol.2 禁止類型の「受領拒否」

わが国経済の好循環を実現するためには、「下請等中小企業」の取引条件を改善することが重要です。本コーナーでは、全国に設置され、電話やメール、Webにより無料で相談できる「下請かけこみ寺」(本部:公益財団法人全国中小企業振興機関協会)に実際に寄せられた「親事業者の4つの義務と11の禁止行為」に関する問い合わせの中から、参考になる事例をQ&A形式で解説します。

今回は、禁止類型の「受領拒否」について紹介します。

Q.A社(資本金:1000万円)は、B社(資本金:7000万円)から婦人服などの衣料品の縫製を受託しています。

B社からは、いつも一方的に納期を決められていますが、今回発注された分についても、当初7日後の納期が一方的に3日後に変更され、A社は残業までし、納期日に7割程度は納めましたが、残りは1日遅れて納品となってしまいました。

B社は、納期遅れを理由として、衣料品の受領を拒否しました。しかし、その後、3割引であれば引き取ってもいいと言われ、A社は、やむを得なくその条件で引き取ってもらいました。

このような行為は、許されるのでしょうか。

A.A社とB社との取引は、下請法の資本金区分を満たしており、「製造委託」に該当することから、下請法が適用される取引と考えられます。

当該相談内容では、B社が納期遅れの分を受領しなかったことが「受領拒否」に該当するかどうかが問題となります。

A社は納期に遅れてしまっていますが、納期遅れの原因としては、B社による無理な納期の押し付けにあることが原因と推測されますから、「受領拒否」の禁止に違反するおそれがあると考えられます。

また、納期遅れを理由として下請代金の額を3割引という減額行為を言っていますが、納期遅れにより商品の価値が低下したことなど明らかな場合には、下請事業者に責任があるとして客観的に相当と認められる額を減じることが認められる場合もありますが、当該取引では、B社が無理な納期設定を行ったことによる納期遅れを原因として減額することは「下請代金の減額」に当たると考えられます。

以上のことを踏まえ、双方が下請法について、理解し、法に基づく適正な取引により適正な納期を定めてもらうように求めるとよいと思います。

なお、その協議の結果を文書・書面化し、記録を残すことが大事です。

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