佐世保商工会議所(長崎県)は、2015年度から17年度にかけて「移住促進ビジネスプランコンテスト」を開催、17年度はIT、美容、菓子製造の3人が受賞した。同コンテストは創業支援の一環として行われた事業で、UIJターンなどにより県外から佐世保市に移住して創業する経営者を応援するもの。市内における製造業の創業が少ないことから、17年度は市内で製造業を創業する経営者も対象とした。受賞者には奨励金交付とともにPR支援などが行われる。これまでに創業者の家族も含め、20人の移住が実現した。
同所ではかねてより地方創生の観点から創業支援に力を入れていたが、急速に進む人口減少下で地域への転入増を図ろうと、2015年に県外から佐世保市への移住希望者を対象にした同コンテストを開始。優秀者には5万円から最大90万円の奨励金を贈呈した。初年度は、香港から移住し、洋菓子店を事業承継して創業した女性、福岡から移住して靴修理店を創業した男性など4人が受賞。16年度は東京から移住してカフェ兼洋菓子店を創業した経営者など3人が受賞し、現在それぞれ事業を成長させている。
17年度の受賞者は、福岡からJターンして夫婦で美容室を創業した経営者、千葉からUターンしてウェブサイト作成やシステム開発を手掛ける企業を創業した経営者に加え、移住ではないが製造業(米粉菓子製造)での創業者が受賞した。
また、受賞者は、創業5年以内の会員を対象とした「創業クラブ」に加入する。研修会や交流会を通じて人脈形成や学習の機会が得られることから、創業者の教育の場としても注目されている。
同コンテストは17年度で終了したが、「これまでの受賞者は家族で移住しているため、定住人口の増加につながった。一定の成果を上げられたのではないか」と同所は話す。
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