PW(ピッチングウェッジ)、AW(アプローチウェッジ)、SW(サンドウェッジ)などのウェッジ類はアプローチショットやバンカーショットで、多様な打ち分けが求められるクラブです。プロのゴルファーなら1ヤードから130ヤードくらいまで、アベレージプレーヤー(※)でも100ヤードぐらいまでのさまざまな状況をカバーしなければなりません。
ウェッジ類の特徴は、横のミスより縦のミスが出やすいことです。横のミスとはボールが左右に曲がることで、縦のミスとは飛距離にバラつきが出ることです。130ヤードくらいまでの距離を同じクラブで打ち分けるのですから、どうしても縦のミスが多くなります。逆にいえば、縦のミスを減らすことができるなら、よいウェッジプレーヤーに近付くということです。
この縦のミスを少なくするために、私が勧めるのは「3スイングシステム」です。それぞれのウェッジで、グリップのトップ位置が時計の短針の7時半、9時、10時半となる三つの振り幅でスイングすることです。3本のウェッジで三つの振り幅ですから、9種類の距離を打ち分けられます。
ボールポジションは常に同じ位置にし、同じリズム、同じヘッドスピードでスイングしましょう。同じようにスイングしても、ウェッジを持ち換えれば、距離、高さ、球筋は自然に変わるはずです。実戦では、風の強さやハザードの位置などを計算して、状況に応じたベストなウェッジを選択します。
プロゴルファーの場合は、SWを中心に練習しますが、さまざまなクラブでいろんな球筋を打つ練習をしてください。ウェッジの特徴を生かして思い通りに打ち分けられれば、ゴルフがグンと楽しくなるはずです。
※アベレージプレーヤー=一般的には100前後で回る技量の持ち主のこと
イラストレーション:アカハナドラゴン
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